2つの土地優遇税制、民主党政権下でどうなる?
カテゴリ:04.資産税 トピック
作成日:09/17/2009  提供元:21C・TFフォーラム



 平成21年度税制改正では、今年から来年にかけ取得した土地等に対する優遇税制が2つ施行されている。

 ひとつは、「長期所有土地の1000万円特別控除」。平成21年~同22年の2年間に土地等を取得し、5年間所有した後に譲渡した場合、譲渡益から1000万円を控除するという制度だ。譲渡益が出ても課税対象となるのは1000万円を超えた部分だけ。個人も法人も適用でき、所有期間が「5年超」であれば期間制限もないため使いやすい。

 もうひとつは、「先行取得土地等の特例」。こちらは平成21年~同22年の2年間に土地等を取得して、取得日を含む年度の終了日後10年以内に他の土地等を譲渡した場合、譲渡益の80%(平成22年取得は60%)相当額を限度として圧縮記帳により課税が繰延べるという制度だ。

 1000万円の特別控除が取得した土地等を譲渡した場合の特例であるのに対し、先行取得土地等の特例は、取得した土地等“以外”の土地等を譲渡した場合の特例。圧縮記帳による課税の繰延べであるため、先行取得した土地等を売却しなければ課税されることはない。このため、たとえばマイホーム用の土地を取得し、不要な事業用土地を譲渡することで減税効果をフルに享受できる。

 なお、先行取得土地等の特例を適用できるのは法人と個人事業者。また、譲渡資産については「事業用」に限定されているので注意が必要だ。

 ところで、税制抜本改革を掲げる民主党政権下において、これらの土地税制が今後どうなるのか注目されているところだが、マニフェストには土地税制の引締めは載っていない。「不要な租税特別措置は廃止する」としている民主党だが、景気対策としての土地譲渡課税の軽減を廃止することは考えにくく、このまま存続するものと見られている。