29年1月から取引相場のない株式の評価方式を見直し
カテゴリ:15.税制改正 トピック
作成日:01/06/2017  提供元:21C・TFフォーラム



 平成29年度税制改正では、上場会社のグローバル連結経営の進展や株価の急激な変動が中小企業の株価に影響しないよう、取引相場のない株式の評価方式を中小企業の実力を適切に反映する仕組みに見直す。

 類似業種比準方式を見直し、1)類似業種の上場会社の株価について、現行に課税時期の属する月以前2年間を加える、2)類似業種の上場会社の配当金額、利益金額、簿価純資産価額について、連結決算を反映させたものとする、3)配当金額、利益金額、簿価純資産価額の比重について1:1:1にする。また、併用方式での会社規模の判定基準を見直し、大会社及び中会社の適用範囲を総じて拡大する。平成29年1月1日以後の相続等により取得した財産の評価から適用する。

 類似業種である上場企業の株価については、課税時期の属する月以前3ヵ月間の各月の株価のうち最も低いものと前年平均株価のいずれかを納税者が選択できる。改正では、上場企業株価の上昇局面での急激な変動を平準化するため、2年間平均も選択肢に加える。

 株価算定のための現行の算式では、比準要素である類似業種上場企業の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額のウエイトは1:3:1で、利益が重視され、他の比準要素の3倍となっている。改正では、成長・好業績企業の負担を軽減するため、1:1:1にする。また、これらの比準要素を連結会計上の数字に見直すことで、上場企業の子会社を含めたグローバル経営を反映した評価にする。

 一方、併用方式(類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式)の算式は、類似業種比準価額×L+1株当たりの純資産価額×(1−L)で、Lの値は、大会社が1、中会社が0.9〜0.6、小会社が0.5となっている。大、中、小の会社規模は、従業員数100人以上は大会社、100人未満は総資産価額と従業員数、年間の取引額で大、中、小を判定している。大会社及び中会社の適用範囲が拡大されLの値が高まることで、時価純資産(含み益)が重い中会社の株価を抑えるのが改正の狙い。