大宰府市の駐車場新税に総務相同意
カテゴリ:06.地方税 トピック
作成日:07/15/2002  提供元:21C・TFフォーラム



 地方にまた新税が誕生した。7月11日、片山総務相は、福岡県太宰府市から協議書が提出されていた法定外普通税「歴史と文化の環境税」の創設に同意。同税は、市内の観光用有料駐車場の利用行為に対して課税するもので、月極駐車場など市民が日常生活で利用する駐車場は適用外となっている。税率は、駐車行為1回についてバス500円、乗用車100円、バイク50円。駐車料金に上乗せ徴収される。

 太宰府市では、昨年4月、市の諮問機関である「太宰府市税制審議会」に新税創設の検討を諮問。審議会は7月に「観光用有料駐車場新税」の創設を答申した。これを受けて、市は条例案を作成、今年3月議会で可決するとともに、総務省に協議書を提出していた。年間650万人の観光客が訪れる同市は、大宰府天満宮や大宰府政庁跡が観光スポットだが、交通渋滞や環境面でのマイナスもあり、税収は歴史的文化遺産の保全など環境整備費に充てることにしている。

 「法定外税の濫造」を憂慮する総務省が、5月7日、慎重に検討するよう自治体に要請する通知を出したにもかかわらず、全国で次々と新税が条例化される。昨年成立した山梨県河口湖町の「遊漁税」をはじめ、法定外税創設の要件緩和からわずか2年あまりで6税が誕生した。今回、観光地の駐車行為に課税する初めてのケースに国が同意したことで、これから追随する自治体も出てきそうだ。

 条例施行は10月1日が予定されているが、駐車場経営者たちは新税に反対しており、理解を得るにはもう少し時間がかかりそうだ。