セルフメディケーション税制がスタート
カテゴリ:02.所得税 トピック
作成日:01/26/2017  提供元:21C・TFフォーラム



 セルフメディケーション税制が今年1月からスタートした。セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」(WHO)。そして、その推進を目的として創設された新しい所得控除制度がセルフメディケーション税制だ。対象となるスイッチOTC医薬品を年間1万2千円以上購入すると、その購入費用について所得控除を受けることができる。

 スイッチOTC医薬品とは、これまで医師の診断・処方箋に基づいてカウンター越し(Over The Counter)に販売されていた医療用医薬品を、薬局・薬店などで購入できるように転用(スイッチ)した医薬品のこと。同税制は国民の自発的な健康管理や疾病予防の取組みを促進する狙いがあるが、医療用医薬品からスイッチOTC薬への代替が進むことで、増大する医療費の抑制にもつながるとして期待が寄せられている。

 対象医薬品は約1500品目。厚生労働省のホームページで確認できるほか、対象医薬品のパッケージに同税制の対象であることを示す識別マークを掲載する動きが進んでいる。

 同税制は、健康の維持促進および疾病予防への一定の取組みを行う個人が対象となる。ここでいう「一定の取組み」とは、特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診などを受けること。申告対象となる1年間にいずれか一つを受けていればよいが、その証明書類を保存しておくことを忘れずに。

 証明書類とは、健診等の領収書または結果通知表のこと。氏名、健診等を受けた年、保険者や医療機関の名称などが記載されている必要がある。領収書の場合は原本の提出が必要だが、結果通知表についてはコピーでも可。なお、健診結果の部分は不要であるため、個人情報保護のため該当箇所は黒塗りや切り取っておく必要がある。