定期借地権の保証金、適正利率が過去最低に
カテゴリ:02.所得税 トピック
作成日:03/02/2017  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁はこのほど、「定期借地権の設定による保証金の経済的利益の課税に係る平成28年分の適正な利率について」を公表した。

 定期借地権とは、契約期間満了後に更新されることなく終了する借地権のこと。地主にとっては、自分の土地が確実に戻ってくるという安心感や、立退料が不要などのメリットがあり、借り主にとっても、土地代の20%程度の保証金と年間1%程度の地代で土地が手に入る上、契約期間満了後は預けた保証金が満額返ってくるなどメリットが多い。

 この定期借地権設定にあたり借り主から地主へ支払われる保証金は、運用によっては経済的利益が発生するため、所得税の課税対象となる。その課税対象となる経済的利益の算定基準となるのが今回公表された「適正利率」だ。

 国税庁によると、平成28年分の適正利率は0.05%。前年より0.25%低く、過去最低の記録を更新した。ちなみに、平成25年分は0.7%、同26年分は0.5%、同27年分は0.3%。平成28年分はマイナス金利の影響でかなり引き下げられたようだ。

 なお、保証金を預貯金や公社債、貸付信託などの金融資産で運用している場合は、源泉分離課税によりすでに課税されているため適正利率を用いた経済的利益の所得計算は不要となる。