個人型確定拠出年金がリニューアル
カテゴリ:02.所得税 トピック
作成日:01/12/2017  提供元:21C・TFフォーラム



 個人型確定拠出年金がこの1月にリニューアルした。確定拠出年金(DC)は、公的年金を補完する目的で2001年に設けられた私的年金制度。掛金の運用先を自分で選び、その運用成績によって60歳以降に受け取る年金額が変わるのが特徴だ。企業が従業員のために掛金を拠出する「企業型」と、個人が任意で加入して掛け金を払う「個人型」がある。

 「個人型」はこれまで自営業者や企業年金制度のない会社員等に限られていたが、今年から対象者が専業主婦や公務員、企業年金加入者にまで拡大し、これにより原則として60歳未満のすべての人が加入できるようになった。個人型DCの拠出限度額は、専業主婦(第3号被保険者)が月額2.3万円、公務員が月額1.2万円、企業年金加入者が月額2万円となる。

 個人型DCのメリットはなんといっても税制上の優遇措置だ。掛金は所得控除の対象で、運用益は非課税。年金受取時は雑所得扱いとなり公的年金控除の対象。一時金として受け取る場合は退職所得扱いとなり退職所得控除が適用できる。

 運用は自己責任で元本割れの可能性もあるが、上手く運用できれば公的年金の大きな補完になる。掛金や加入期間、運用方法、受取方法などにより年金額や税メリットが変わってくるため、金融機関やファイナンシャルプランナーなどに相談しながら慎重に戦略を練る必要がありそう。公的年金を補完するための「自助努力」の選択肢の一つとして注目が集まる。