大企業と税務当局の建設的関係の発展模索~FTA
カテゴリ:07.国際税務 トピック
作成日:01/25/2012  提供元:21C・TFフォーラム



 第7回OECD税務長官会議(FTA)が18、19の両日、アルゼンチン共和国の首都ブエノスアイレスで開催され、43ヵ国・地域の長官クラスが参加した。我が国からは、川北力国税庁長官が出席、大規模法人のコーポレートガバナンスの強化を通じた税務コンプライアンスの向上、海外取引等を利用した国際的な租税回避や脱税(オフショア・ノンコンプライアンス)への対抗策、及び税務行政の効率化等について意見交換が行われた。

 FTA(OECD Forum on Tax Administration)は、税務行政の幅広い分野にわたって各国の知見・経験の共有やベストプラクティスの比較・検討を行う目的で、2002年にOECD租税委員会の下に設置されたフォーラムであり、OECD加盟国及び主要な非加盟国・地域の長官クラスが参加している。会合の締めくくりに当たり、議論を総括した声明(「ブエノスアイレス声明」)が発表されている。

 それによると、FTAは近年、大企業と税務当局の間の建設的な関係を更に発展させるため努力してきた。税務当局といくつかの多国籍企業との間にしばしば見られる敵対的な関係は、両者の目的に適うものでもなく、早期かつ高い確実性、一貫性及び効率性という我々の共通の目標に反する。我々は、税法の遵守を奨励する環境を引き続き促進しつつ、更に時間やリソースを要しない問題解決のための革新的戦略を策定に同意した、とした。

 グローバル経済に引き続き脆弱さが広がっていることから、我々は賢いやり方で働く(working smarter)必要があり、税務当局が委ねられた役割を効率的かつ効果的に果たすことは重要で、税務行政の質を継続的に世界的に向上するため、ベストプラクティスを我々及び途上国の間で共有することに尽力する。また、質の高い納税者サービスがハイレベルな自主的コンプライアンスを促進することに不可欠であることを認識しているとしている。

 声明の全文(仮訳)は↓
http://www.nta.go.jp/sonota/kokusai/oecd/press/37.htm