移転価格関係事務運営指針を見直し
カテゴリ:07.国際税務 トピック
作成日:10/30/2008  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁はこのほど、今年6月5日から7月4日まで行っていたパブリックコメント(意見募集)を受けた形での「移転価格事務運営要領」(事務運営指針)及び「連結法人に係る移転価格事務運営要領」(事務運営指針)の一部改正を行った。

 改正内容は、パブコメ時の改正案と変わりはない。中心となる改正を改めて眺めてみると、まず、企業グループ内の役務提供取引に係る取扱いの明確化として、企業グループ内における活動が移転価格課税の対象となり得る役務提供取引に該当するか否かを判断する基準に関して、OECD移転価格ガイドラインの記述内容を踏まえて明確にしている。

 一方、国外関連者に対する寄附金・価格調整金等に係る取扱いを明確にするため、法人が国外関連者に対して提供したサービスについて、1)通常受けるべき対価を受け取らない場合をはじめ、一定の場合が国外関連者に対する寄附金課税の検討対象となる、2)法人が国外関連取引に係る対価の額を過去に遡って変更し、その調整額を国外関連者に価格調整金などの名目で支払った場合で、その支払に合理的理由が見当たらない場合なども国外関連者への寄附金課税の検討対象となることが盛り込まれている。

 その他、新規の事前確認の申出期限を確認対象初年度が平成21年11月1日以後に開始する事前確認の申出から確認対象初年度開始の日の前日(改正前確認対象初年度の申告期限)に変更するとともに、確認対象初年度が今年11月1日から来年10月31日の間に開始する事業確認の申出については、確認対象初年度の事前事業年度に係る申告期限の8ヵ月後とすること及び申出期限の変更に伴う納税者の事務負担等に配慮して、相当の理由があれば申出書の添付資料の一部の提出を一定期間猶予する経過措置が付されている。