タックスヘイブン税制が緩和
カテゴリ:07.国際税務, 15.税制改正 トピック
作成日:03/26/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 タックスヘイブン税制の発動基準がこの4月から緩和される。

 タックスヘイブン税制は、税率の低い租税回避地(タックスヘイブン)を利用した企業の過度な節税を防ぐ目的で昭和53年に創設された制度。現在は法人税率20%以下の国や地域を対象としており、経済的合理性なくこれらの国や地域に進出したと認められる場合には、海外子会社であっても日本の法人税が課税される。

 平成27年度税制改正では、同税制の適用基準が現行の「20%以下」から「20%未満」に引き下げられる。これはイギリスの法人税率がこの4月から20%に引き下げられることに対応したもの。

 イギリスが「タックスヘイブン」とみなされることになると、租税回避目的ではない現地子会社の多くが同税制の適用対象となってしまう。とりわけ国際的な保険市場である「ロイズ」に参加する企業への影響は大きいことから、混乱を避けるために今回の改正につながった。「以下」から「未満」への見直しというと微々たる改正のようだが、これにより多くの企業が救われることになる。

 とはいえ、イギリスが今後更なる減税に踏み切らないとも限らない。そうなれば日本も再調整を迫られることになる。場当たり的な帳尻合わせではなく抜本的な見直しが必要、という指摘は少なくない。