大阪国税局、移転価格税制の適用取り消しで571億円還付へ
カテゴリ:07.国際税務 トピック
作成日:04/12/2012  提供元:21C・TFフォーラム



 移転価格税制に基づく大型の更正処分が取り消された。これは、大阪国税局が武田薬品工業(大阪市)に対して行った移転価格税制に基づく更正処分について、同社の異議申し立てを認め更正処分の一部取消しを決定したもの。

 武田薬品は平成18年6月、米製薬会社との合弁会社に消化器系治療薬を輸出した際、取引価格を安く設定し国内課税所得を減少させたとして、大阪国税局から移転価格税制の適用を受けた。これにより約1223億円の申告漏れが指摘され、571億円の追徴課税分を受けたが、同社はこの更正処分を不服とし、追徴税額を納付した上で異議申し立てを行った。

 その後、この事案について日米課税当局間の相互協議が行われたが、合意に至らず終了。これを受けて同社は一旦中断していた異議申し立て手続きの再開していた。

 武田薬品によると、大阪国税局は4月6日、同社の主張の一部を認め、指摘された申告漏れの約8割にあたる約977億円を取り消す決定をしたとのこと。納付済みの法人税など約455億円と還付加算金の約116億円の計約571億円が近く還付される見通しだ。武田薬品は「異議決定書の内容を検討の上、今後の対応を決めたい」としている。