租税条約に基づき外国税務当局に526件の情報提供を要請
カテゴリ:07.国際税務 トピック
作成日:11/24/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁がこのほど公表した平成26事務年度(26年7月~27年6月)における租税条約等に基づく情報交換事績を公表した。経済の国際化が進展する中、国際的租税回避行為への対応を強化するため、日本も租税条約等の締約を進めるとともに、既存の租税条約等を改正するなど、国際的な基準に則った情報交換に関する枠組みの整備が進められており、現在64条約(93ヵ国・地域)を締結している。

 同年度の情報交換をみると、まず個別の納税者に対する調査等において、国内で入手できる情報だけでは事実関係を十分に解明できない場合に、条約等締結相手国・地域の税務当局に必要な情報の収集・提供を要請して、海外法人等との取引の内容や海外金融機関との取引の内容など、国際的な取引の実態や海外資産の保有・運用の状況を解明するための「要請に基づく情報交換」では、国税庁から外国税務当局に発した件数は526件(前事務年度720件)、外国税務当局から国税庁に寄せられたものが125件(同106件)となっている。

 次に、自国の納税者に対する調査等の際に入手した情報で外国税務当局にとって有益と認められる情報を自発的に提供する「自発的情報交換」では、国税庁から外国税務当局に317件(同6881件)、外国税務当局から国税庁に1258件(同3062件)提供されたが、4年ぶりに提供よりも提供された件数が上回った。

 法定調書等から把握した非居住者への支払等(配当、不動産所得、無形資産の使用料、給与・報酬、キャピタルゲイン等)に関する情報を、支払国の税務当局から受領国の税務当局へ送付する「自動的情報交換」の状況では、国税庁から外国税務当局へは約13万7千件(同約12万6千件)、外国税務当局から国税庁へは約13万2千件(同13万3千件)の提供があった。

 この件はこちらを参照のこと。