OECD、国際的租税回避のブラックリスト作成へ
カテゴリ:07.国際税務 トピック
作成日:06/09/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 租税回避の実態を暴露した「パナマ文書」の公表を受け、OECD(経済強力開発機構)が国際的租税回避行為への包囲網を狭めている。

 さきごろパリで開かれたOECDの閣僚理事会では、多国籍企業による税逃れを防ぎ、ビジネスを行った場所で納税させる原則を確認。パナマ文書の公開により明らかとなった企業や個人の脱税や租税回避行為について「緊急の対応が必要」との認識で一致し、マネーロンダリングなど不適切な資金の流れを把握しやすくするため、各国の金融情報を自動的に交換できる制度を拡充し、必要な情報を迅速に入手できる仕組みを整えることなどを盛り込んだ声明を採択した。

 国際ルールに非協力的な国や地域のブラックリストを作成する動きも進んでいる。これは、OECDの租税委員会議長を務める浅川雅嗣財務官が6日、日本記者クラブでの講演で明らかにしたもの。G20が税逃れに関する国際ルールに非協力的な国や地域への制裁を検討することについて合意しており、OECDがブラックリストの策定を担当するという。

 ちなみにパナマは現在、日本との間で金融情報を交換する協定を結ぶことに合意しているが、他国との話し合いは進んでおらず、非協力国に該当することになるのか注目されるところ。ブラックリストは来年を目処に作成するとのことで、選定基準については、6月末に京都で開催予定のOECDの会合で案の取りまとめが行われるという。