海外への支払利子に課税
カテゴリ:07.国際税務 トピック
作成日:06/07/2012  提供元:21C・TFフォーラム



 海外取引を利用した租税回避に対する国税当局の取り締りが強化される中、平成24年度税制改正では、グループ会社間の利子払いに焦点を当てた“対応策”が設けられた。

 新たに設けられたのは過大支払利子税制。海外の関連会社に支払う利子が所得の一定割合を超える場合、その超えた部分については損金算入を認めないというものだ。これにより、海外の関連会社へ支払う純支払利子等のうち、調整所得金額の50%を超える部分の金額については当期の損金の額に算入できなくなる。

 ここでいう純支払利子等とは、関連会社への支払利子等の額からこれに対応する受取利子等の額を控除した残額のこと。また、調整所得金額とは、当期の所得金額に、純支払利子等や、減価償却費、受取配当益金不算入額等を加えた金額をいう。

 純支払利子等の額が1千万円以下の場合は適用除外。過大支払利子については当期での損金算入はできないものの、翌期以降一定期間の繰越しによる損金算入は可能だ。

 とはいえ、これまで損金算入扱いとされてきた支払利子に上限が設けられたことは、海外取引を行う企業にとって少なからず障害となることは間違いない。過大支払利子税制は、平成25年4月1日以後に開始する事業年度からの適用となる。