日比租税条約(改正議定書)に正式署名
カテゴリ:07.国際税務, 17.財務省関係 トピック
作成日:12/13/2006  提供元:21C・TFフォーラム



 12月9日、マニラにおいて、日本とフィリピンのと間で改正議定書(「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約を改正する議定書」)の正式署名が行われたと、財務省が発表した。改正議定書は、現行条約の内容を部分的に改めるもので、投資交流の促進を図るため、投資所得の支払に対する源泉地国課税を軽減する。

 具体的には、配当所得について、配当に対する限度税率を25%から15%に引き下げ、10%の限度税率を適用する親子企業間配当の認定要件を緩和し、株式保有割合を25%から10%以上に引き下げる。利子所得については、利子に対する限度税率を15%から10%に引き下げる。使用料についても、映画フィルム等以外の使用料の限度税率を25%から10%に引き下げる。

 また、みなし外国税額控除の規定については、課税の公平性や中立性の観点から、近年締結・改正した条約においてはできる限り見直し・縮減を図ってきたところだが、今回の日比間の交渉においては、10年間の供与期限を設けることで両国間の意見が一致した。

 改正議定書は、両国において国内法の手続きに従って承認された後、両国間で外交上の公文の交換を行い、交換の日の翌日から30日目の日に効力が生じる。改正議定書が発効した場合には、わが国においては、1)源泉徴収される租税に関しては、2008年1月1日以後に租税を課される額、2)源泉徴収されない所得に対する租税に関しては、2008年1月1日以後に開始する各課税年度の所得、に適用される。