ロシアの廃車税の改正法が施行
カテゴリ:07.国際税務 トピック
作成日:01/10/2014  提供元:21C・TFフォーラム



 ロシアの廃車税制度が見直され、この1月1日から改正法が施行されている。廃車税(リサイクル税)は、廃棄自動車の適切処理のため、自動車の輸入者及びロシア国内生産者に対し、廃車税の支払いを義務付けるもので、ロシアのWTO加盟に伴い、自動車輸入関税を撤廃する一方で、平成24年9月に導入された。

 廃車税の税額は、排気量、経年数などにより算定され、普通乗用車(新車)では約5万~33万円の廃車税が課せられ、中古車は新車に比べ数倍の税が課せられている。ただし、一部のロシア国内生産者や、ロシアの関税同盟国であるカザフスタンやベラルーシからの輸入車については税の免除措置を適用したことから実質的に国産車を優遇する制度になっていた。

 日本からの輸入車には免税の可能性が排除されていることから、わが国は、この制度がWTO協定上の内国民待遇義務等に違反する可能性があるとして、EU、米国と協調しロシアに改善を働きかけた結果、ロシアは平成25年4月に同制度を改正する法案を公表、法案審議が遅れていたが、この1月から改正法が施行された。

 改正により、1)一定の条件を満たすロシア国内生産者に対する免税制度、2)関税同盟国からの輸入車に対する免税制度、3)免税要件であるローカルコンテント(フレームやシャーシ等の自動車部品を現地調達すること)要求が廃止され、内外差別的要素が基本的に是正されることになった。