会計士協、「レジェンド問題」は16年3月期決算から解消と表明
カテゴリ:13.会計士・税理士業界 トピック
作成日:06/18/2004  提供元:21C・TFフォーラム



 平成11年に勃発、産業界からその解消が急がれていた「レジェンド問題」。このレジェンドとは、日本の会計基準に従って作成された英文財務諸表に関して、「わが国以外の国で一般に公正妥当と認められた会計原則及び実務に従って作成された財政状態、経営成績及びキャッシュフローを示すことを意図したものではない」という旨の文言を財務諸表の注記などに記載されるもの。日本基準で作成された財務諸表は、国際的に通用する基準に従ったものとは異なる、との日本の会計制度に対する不信感を表した警句(レジェンド)だ。

 米国の大手監査事務所(ビッグ4)が、海外の利用者に米国会計基準や国際会計基準で作成されたものと誤認されるリスクを軽減するため、日本の監査法人にレジェンドの付記を求めたことが発端である。先進国では唯一、日本基準にだけ付記される。

 その問題が、「16年3月決算期から解消された」と日本公認会計士協会が表明した。6月17日に開催された金融庁・企業会計審議会の席上でのことである。

 協会によると、レジェンド文言に関する見直しの検討を関係する4監査法人に依頼。4監査法人は、提携先のビッグ4のリスク担当者と協議し、同意を得た上で、レジェンド文言を大幅に見直すことになったという。その結果、「わが国で一般に公正妥当と認められる会計基準に従っており、これ(会計基準)には、国際財務報告基準の適用及び開示要件とは異なるものがある」と記載されることに。協会は、「ビッグ4のリスク担当者が、現在のわが国における監査・会計基準及び実務の整備状況は、この問題が発生した頃とは大きく異なることを認識したことによるもの」とコメントしている。

 しかし、産業界は、「国際財務報告基準の適用及び開示要件とは異なる」との文言が付記されており、レジェンド解消とはいえないと指摘。“決着”がつくには時間がかかりそうだ。