令和４年の労働災害発生、死亡者数は７７４人で過去最少
厚生労働省がこのほど公表した令和４年の労働災害発生状況によると、昨年１年間における労働災害による死亡者数は７７４人で、令和３年に比べ４人減少し、過去最少となったことが明らかになった。死亡者数が多い業種は、「建設業」の２８１人（前年比３人・１．１％増）、「第三次産業」の１９８人（同１２人・６．５％増）、「製造業」の１４０人（同９人・６．９％増）、「陸上貨物運送事業」の９０人（同１人、１．１％増）となっている。
また、労働災害による休業４日以上の死傷者数は１３万２３５５人で、令和３年に比べ１７６９人（１．４％）増となり、過去２０年で最多となった。第１３次労働災害防止計画の重点業種は、「陸上貨物運送事業」が１万６５８０人（前年比２２５人・１．４％増）、「小売業」が１万６４１４人（同１１人・０．０６７％減）、「社会福祉施設」が１万２７８０人（同１７人・０．１３％減）、「飲食店」が５３０４人（同５５９人・１１．８％増）だった。
事故の型別による発生状況をみると、死亡者数では「墜落、転落」が５０％で最多、次いで「交通事故（道路）」が１７％、死傷者数では「転倒」が２７％で最多、次いで「動作の反動・無理な動作」が１６％。特に死傷者数が最多の「転倒」が３万５２９５人（前年比１６２３人・４．８％増）、腰痛等の「動作の反動・無理な動作」が２万８７９人（同１０３人・０．５０％増）を合わせて全体の４割を超え、さらに増加した。
業種別の労働災害発生状況をみると、「製造業」の死亡者数は、前年比で６．９％増加し、事故の型別では、機械等による「はさまれ・巻き込まれ」と「墜落・転落」が多くを占めている。「建設業」の死亡者数は、令和２年以降増加に転じており、前年比で１．１％増加。事故の型別では、「墜落・転落」（前年比５．５％増）が最も多く、「激突され」（同４２．１％増）、「飛来・落下」（同６０．０％増）が前年比で大きく増加した。
「林業」の死亡者数は、事故の型別では、最多である「激突され」（前年比６．７％増）等が前年比で増加したが、「飛来・落下」（同５０．０％減）が前年比で減少した。「陸上貨物運送事業」の死傷者数は、事故の型別では、「墜落・転落」が４２９４人（同４．５％減）と最多で、「動作の反動・無理な動作」（同１．５％減）は前年比で減少したが、「転倒」（同３．７％増）は増加した。
提供元：２１Ｃ・ＴＦフォーラム（株式会社タックス・コム）
