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IT人材、任せたい業務は「セキュリティ管理」が最多 ~全研本社が経営者アンケート

 全研本社が実施した日本企業の経営者を対象としたアンケート調査によると、IT(情報通信)人材が社内に「いない」と回答した人が7割にのぼった。国内の人材不足や人材育成が難しいことから、多くの企業が十分にIT人材を確保できていない状況が浮き彫りとなった。IT人材に任せたい業務については「セキュリティ管理」が多数を占めた。経済産業省によると2030年に国内のIT人材は最大で79万人不足する見通し。少子・高齢化や社会のデジタル化が進むなか、日本企業にとっては有能な人材の獲得が課題となりそうだ。

IT人材の育成「難しい」との回答が6割占める

 調査は全研本社が中小企業の経営者を対象に2月24~26日に実施し、200件の回答を得た。回答した企業の業種は建設業、製造、卸売・小売、不動産、サービス、情報通信、金融・保険、宿泊など。


 アンケートでは「社内にIT人材がいるか」との質問に対して「いない」との回答が70%を占めた。一方で「いる」と答えた人は30%にとどまった。「自社のIT人材が不足していると思うか」との質問に対しては「はい」が37.5%、「どちらともいえない」が23%だった。「いいえ」との回答も39.5%あった。

 「自社のIT人材が不足している」と回答した経営者に理由を聞いたところ、最も多かった回答は「社員をIT人材に育成することが難しいから」で58.7%(複数回答)にのぼった。続いて「IT人材が採用できないから」が46.7%、「国内のIT人材の絶対数が少ないから」が28%に達し、上位を占めた。「IT人材の離職数が多いから」との回答も10.7%あった。

 IT分野はもちろん、すべての分野で国内の人手不足は今後も続く見通しだ。国立社会保障・人口問題研究所は4月に長期的な日本の人口を予測した「将来推計人口」を公表した。2056年に人口が1億人を下回り、70年の総人口は現在のおよそ1億2600万人から3割減の8700万人になる。15~64歳の生産年齢人口は70年に4535万人と現在と比べて4割も減るという。企業にとって、有能な人材の確保や獲得は最重要の課題の1つとなる。

パソコンサポートなど基本的な能力のニーズも多く

 「IT人材にどんな業務を任せたいか」との質問に対しては「セキュリティ管理」との回答が最も多く、37%に達した(複数回答)。情報システムの停止による損失や顧客情報の漏洩(ろうえい)による企業や組織のブランドイメージの失墜など、情報セキュリティ上のリスクが高まっていることが背景にあるとみられる。
 
 次に多かったのは「社内パソコンサポート」と「エクセルによる表計算やマクロ(簡易プログラム)の生成」でそれぞれ31.5%だった。高度技術だけではなく、基本的な能力を持つ人材を必要とする企業も多いようだ。このほか、「システム開発・保守」が28.5%、WEB制作が26.5%だった。「サーバー構築」と答えた人も20.5%を占めた。一方で注目されているAI(人工知能)・機械学習との回答は11%にとどまった。

提供元:全研本社株式会社

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 全研本社が実施した日本企業の経営者を対象としたアンケート調査によると、IT(情報通信)人材が社内に「いない」と回答した人が7割にのぼった。国内の人材不足や人材育成が難しいことから、多くの企業が十分にIT人材を確保できていない状況が浮き彫りとなった。IT人材に任せたい業務については「セキュリティ管理」が多数を占めた。経済産業省によると2030年に国内のIT人材は最大で79万人不足する見通し。少子・高齢化や社会のデジタル化が進むなか、日本企業にとっては有能な人材の獲得が課題となりそうだ。
2023.05.26 17:22:54