建築物での木材利用促進に事業者向けの普及資料を作成
林野庁は１６日、民間建築物等における木材利用促進に向けた協議会（通称「ウッド・チェンジ協議会」）において、都市等の「ウッド・チェンジ」に向けて、店舗や事務所、ビルなどの建築物での木材利用を促進するため、建築主などの事業者向けの普及資料を作成したことを公表した。同庁では、地域経済の活性化や地球環境の保全への貢献などの観点から、「身近なまちの建物の木造化」などを勧めている。
普及資料作成の経緯をみると、林野庁では、民間建築物等での木材利用の促進に向けて、昨年９月、川下から川上までの関係者が広く参画する官民協議会「民間建築物等における木材利用促進に向けた協議会」を立ち上げた。昨年９月に開催した第１回会合で挙げられた木材利用を進める上での課題等を踏まえ、５つの小グループを設置し、木材が利用しやすい環境づくりのための検討を進めている。
このほど、この小グループにおいて、建築主などの事業者が、店舗や事務所、ビルなどの建築物での木材利用を検討する際に参考となる普及資料を作成。ウッド・チェンジ協議会では、これらの普及資料を活用し、建築物での木材利用を促進していく考えだ。普及資料は、低層小規模建築物、中規模ビル、高層ビル、内装の木質化別に、木造化・木質化の事例、木造建築物の標準モデル設計、メリット等をまとめている。
まず、コンビニや飲食店など、平屋２階建ての小規模な店舗の木造モデル設計を提案。木造化の意義や店舗以外の低層小規模な木造建築物事例も多数紹介している。次に、延べ床面積３０００平方メートル程度のオフィス設計をテーマに、３階建てから７階建て、準耐火構造から２時間耐火構造まで、バラエティに富んだ木造ビルのモデル設計を提案。オフィスだけでなく、公共施設、商業施設、ホテル等にも応用できるとしている。
また、木造の技術面・制度面の発展を受けて、近年、徐々に増えてきた木造の高層ビル事例について、施主が木造としたねらいや効果、技術的な工夫等とともに紹介。そのほか、建築物の内装に木材を使った様々な事例を紹介するとともに、施主等から集めた木質化による効果の声、研究データ等もあわせて、内装に木材を利用することによってどのような効果が期待できるのかを用途別に整理している。
民間建築物等における木材利用促進に向けた協議会（ウッド・チェンジ協議会）について
提供元：２１Ｃ・ＴＦフォーラム（株式会社タックス・コム）
