昨年の倒産７８０９件、２０００年以降２番目の低水準
帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況（負債１千万円以上）によると、２０２０年１年間の倒産件数は７８０９件で、前年比▲６．５％と、２年ぶりに前年を下回り、２０００年以降で２番目の低水準となった。月別では１２ヵ月中６ヵ月で前年を下回り、特に下半期で減少が目立った。業種別では、７業種中建設業や卸売業など全業種で、地域別でも、９地域中北海道や関東など８地域で、前年同月に比べそれぞれ減少した。
一方、負債総額は１兆１８１０億５６００万円（前年１兆４１３５億８５００万円）となり、前年比で▲１６．４％減少し、最小だった前年をさらに下回り、２０００年以降では最小となった。月別では、１２ヵ月中８ヵ月で前年を下回った。負債額最大の倒産は、三菱マテリアル（株）の事業を分社化する目的で設立され、自動車用部品などを製造していた（株）ダイヤメット（新潟県、民事再生、１２月）の約５７７億９０００万円だった。
倒産件数を業種別にみると、全業種で前年を下回った。「建設業」（１２６６件、前年比▲１０．５％）は公共工事や通信インフラに関する工事の受注が堅調だったことから、職別工事・総合工事が減少し、過去最少となった。また、「卸売業」（１０４１件、同▲１３．７％）は、自動車・同付属品卸（３２件）などで減少が目立ったほか、木材・建築材料卸（６１件）、貴金属卸（１６件）は過去最少となった。
負債規模別にみると、負債５０００万円未満の小規模倒産は４９２５件（前年比▲４．６％）で、構成比は１３年連続で上昇し２０００年以降最高の６３．１％（同１．３ポイント増）を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金１０００万円未満（個人事業主を含む）の合計が５２９１件（同▲５．５％）で構成比は６７．８％（同０．８ポイント増）と高水準で推移した。
地域別にみると、９地域中８地域で前年を下回った。北海道（１７３件、前年比▲１８．８％）は全業種で減少し、３年連続の前年比減少となり、過去最少となった。また、東北（３６１件、同▲１０．４％）、中国（３４６件、同▲８．２％）、四国（１５６件、同▲１３．３％）の３地域は４年ぶりに減少へ転じた。関東（２７４３件、同▲８．０％）は６業種で減少し、過去２番目の低水準となったものの、居酒屋をはじめとする飲食店は増加した。
提供元：２１Ｃ・ＴＦフォーラム（株式会社タックス・コム）
