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新型コロナウイルス感染症で変わるネットショッピング

 総務省統計局が、家計消費状況調査の二人以上の世帯の結果に基づき、ネットショッピングの現状について、過去からの推移を交えて紹介している。それによると、新型コロナウイルス感染症による外出や営業の自粛などにより本年5月の家計調査結果による消費支出(二人以上の世帯)は、一年前に比べ、名目、実質共に16.2%と大きく減少した。これは比較可能な2001年1月以降で最大の落込みとなる。

 6月の消費支出は、特別定額給付金などが消費を後押しし、5月に比べて減少幅が大きく縮小したが、新型コロナウイルス感染症の影響が依然として見られる。一方で、外出自粛によりネットショッピングの需要が高まっていると言われているが、具体的にはどうなっているのだろうか。まずネットショッピング利用世帯の割合の推移を2017年からみてみると、2019年9月までは前年同月に比べて5ポイント程度高い水準で推移していた。

 その後は前年同月とほぼ同じ割合となり、ネットショッピングの普及に頭打ち感が見られた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が発出された2020年4月以降は再び上昇し、5月には50.5%と調査を開始した2002年以降初めて5割を超えた。緊急事態宣言解除後の6月も50.8%と高水準を維持しており、一過性の事象ではないことが見て取れる。

 続いて、世帯主の年齢階級別にネットショッピング利用世帯の割合の推移をみてみると、65歳以上の世帯の利用のみが伸びが鈍く、全体の割合の増加を抑制する要因になっていた。ところが、新型コロナウイルス感染症下においては、65歳以上の世帯においても27.1%(4月)、30.3%(5月)と著しく伸び、これが全体の伸びにも寄与し、6月に入っても他の年齢階級とは異なり、31.2%と上昇を続けている。

 次に、ネットショッピングの支出額(1世帯当たり1ヵ月間のネットショッピングの支出総額)の推移をみてみると、ほぼ毎年増加を続け、2017年1月の1万534円から2020年1月は1万4336円となり、36.1%増となっている。緊急事態宣言が発出された4月以降は、更に増加を続けており、1万4622円(4月)、1万5873円(5月)、1万7252円(6月)となっている。

 品目別にみると、これまでは旅行関係費とチケットの支出が多く、両者を合わせて、ネットショッピングによる支出額の3割弱を占めていた(2019年平均で28.5%)が、感染症を機に減少し、一方で家電、婦人用衣類、健康食品など幅広い品目で支出が伸びており、6月も増加の勢いを維持。また、6月には緊急事態宣言の解除に伴い旅行関係費とチケットにも回復の兆しが見えており、今後ネットショッピングの支出は更に伸びる可能性がある。

新型コロナウイルス感染症で変わるネットショッピングについて

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 総務省統計局が、家計消費状況調査の二人以上の世帯の結果に基づき、ネットショッピングの現状について、過去からの推移を交えて紹介している。それによると、新型コロナウイルス感染症による外出や営業の自粛などにより本年5月の家計調査結果による消費支出(二人以上の世帯)は、一年前に比べ、名目、実質共に16.2%と大きく減少した。これは比較可能な2001年1月以降で最大の落込みとなる。 6月の消費支出は、特別定額給付金などが消費を後押しし、5月に比べて減少幅が大きく縮小したが、新型コロナウイルス感染症の影響が依然として見られる。一方で、外出自粛によりネットショッピングの需要が高まっていると言われているが、具体的にはどうなっているのだろうか。まずネットショッピング利用世帯の割合の推移を2017年からみてみると、2019年9月までは前年同月に比べて5ポイント程度高い水準で推移していた。 その後は前年同月とほぼ同じ割合となり、ネットショッピングの普及に頭打ち感が見られた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が発出された2020年4月以降は再び上昇し、5月には50.5%と調査を開始した2002年以降初めて5割を超えた。緊急事態宣言解除後の6月も50.8%と高水準を維持しており、一過性の事象ではないことが見て取れる。 続いて、世帯主の年齢階級別にネットショッピング利用世帯の割合の推移をみてみると、65歳以上の世帯の利用のみが伸びが鈍く、全体の割合の増加を抑制する要因になっていた。ところが、新型コロナウイルス感染症下においては、65歳以上の世帯においても27.1%(4月)、30.3%(5月)と著しく伸び、これが全体の伸びにも寄与し、6月に入っても他の年齢階級とは異なり、31.2%と上昇を続けている。 次に、ネットショッピングの支出額(1世帯当たり1ヵ月間のネットショッピングの支出総額)の推移をみてみると、ほぼ毎年増加を続け、2017年1月の1万534円から2020年1月は1万4336円となり、36.1%増となっている。緊急事態宣言が発出された4月以降は、更に増加を続けており、1万4622円(4月)、1万5873円(5月)、1万7252円(6月)となっている。 品目別にみると、これまでは旅行関係費とチケットの支出が多く、両者を合わせて、ネットショッピングによる支出額の3割弱を占めていた(2019年平均で28.5%)が、感染症を機に減少し、一方で家電、婦人用衣類、健康食品など幅広い品目で支出が伸びており、6月も増加の勢いを維持。また、6月には緊急事態宣言の解除に伴い旅行関係費とチケットにも回復の兆しが見えており、今後ネットショッピングの支出は更に伸びる可能性がある。
2020.09.08 15:57:22