H23年度税制改正決定-2
   
作成日:12/28/2011
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


前回からの続きです。


■減価償却資産の償却率の見直し

減価償却資産の定率法の償却率について、定額法の償却率(1/耐用年数)を2.0倍(現行:2.5倍)した数とします。

先ほどの法人税率の改正は最終的に実効税率が下がりますので減税改正ですが、この減価償却資産の償却率の見直しは、償却額が当初減ることになりますので増税改正となります。

ちなみに、現行の2.5倍とする定率法の償却率については、平成19年度税制改正により実施されたものであり、税制が右へ左へと振れていますので、経理実務が混乱しないか心配です。


■欠損金の繰越控除制度の見直し

(1)青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除制度、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越控除制度における控除限度額について、次に掲げる法人(以下「中小法人等」)を除き、その繰越控除をする事業年度のその繰越控除前の所得の金額の100分の80相当額とします。

・普通法人のうち、資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの(資本金の額が5億円以上の法人による完全支配関係がある法人等を除く)又は資本若しくは出資を有しないもの(相互会社を除く)

・公益法人等又は協同組合等

・人格のない社団等

この改正は、平成24年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税について適用します。

(2)青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越期間を9年(現行7年)に延長することとします。

また、その欠損金が生じた事業年度の帳簿書類の保存を適用要件とします。

この改正は、平成20年4月1日以後に終了した事業年度において生じた欠損金額について適用します。

ということで、中小法人等であれば、欠損金の制限を受けることなく、単に繰越期間の延長となりますので、減税改正といえます。


■貸倒引当金制度の見直し

貸倒引当金制度について、適用法人を次の法人に限定します。

(1)中小法人等

(2)銀行、保険会社その他これらに準ずる法人

また、適用除外法人については激変緩和措置として、平成24年4月1日から平成25年3月31日までの間に開始する事業年度については現行の規定による繰入限度額の4分の3、同年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度については現行の規定による繰入限度額の4分の2、同年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度については現行の規定による繰入限度額の4分の1までの繰入れができる等の経過措置を講じます。

この見直しも、中小法人等であれば影響がありません。

(注)今回の内容は平成23年度税制改正大綱をベースに書いていますので、取扱いについては税の専門家にご相談ください。

次回に続きます。