粉飾決算と分かった時の税務調査官の反応
   
作成日:10/14/2016
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


■脱税とは?

脱税とは、払うべき税金を払っていない事ですから、わかりやすく言ってしまえば下記となります。

・売上を過少に計上している
・経費を過大に計上している

これらを単独又はミックスして行うと、結果として、利益の減少となります。

法人税等は利益を課税対象としていますから、利益が減少すれば、当然のことながら、「納税も減少」します。

■粉飾決算とは?

では、粉飾決算とはどういったことでしょうか。

粉飾決算を行う動機としては、未上場の中小企業であれば、例えば、金融機関対策となります。

次回の融資がスムーズにいくように、赤字を黒字にするとか、となります。

つまり粉飾とは、わかりやすく言ってしまえば下記となります。

・売上を過大に計上している
・経費を過少に計上している

脱税の逆となりますね。

結果として、払う必要のない税金を払っていることになっているケースが多いです。

■粉飾決算と分かった時の税務調査官の反応

これは実例でもあるのですが、とある会社に税務調査官がやってきました。
3人3日間で来られましたので、その会社の規模からすると、かなり本格的な税務調査を想定されていました。

そんな税務調査官の「税金トルゾー」という雰囲気満載の中、調査初日の午前中に、突然、社長が下記の発言をされました。

社長「すいません実は、架空の売上を計上して粉飾決算をしていました。」

調査官「・・・」

調査官の中でもリーダー格の方は、椅子から少しずり落ちていました。

■調査官の頭の中

社長としては、悪い事をしたという自責の念に堪えられず、口にされたのだと思います。
処理をしてもらった経理の方などに申し訳ないという気持ちが大きく働いたのかもしれません。

興味深いのは、粉飾決算と分かった時の調査官の反応です。

粉飾決算はダメな事ですよ、と指導や指摘をされた方は誰一人としていませんでした。

ただ単に、「税金を徴収するどころか、もしかしたら返さなければならない」と知ったことに対する悔しさだけでした。

調査官の頭の中を正しく理解しておくというのは、税務調査対策として大事なことです。

調査官が興味あるのは、税法以外の法令違反などではなく、一般的には下記となります。

・売上を過少に計上している
・経費を過大に計上している