AWSやグーグル広告の消費税取扱いが改正されました!
   
作成日:04/01/2016
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


■電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準の見直し

 電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供を「電気通信利用役務の提供」と位置付けられ、その役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するかどうかの判定基準(内外判定基準)が、役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地から「役務の提供を受ける者の住所等」に改正されました。

例えば、グーグル広告料の支払いが、国外取引から国内取引になったということです。

また同様に、AWS(アマゾンウェブサービス)利用料の支払いも、国外取引から国内取引となりました。

いずれも、平成27年10月1日以後の取引が対象となります。

■グーグル広告料の支払い

 電気通信利用役務の提供については、「事業者向け電気通信利用役務の提供」とそれ以外のもの(「消費者向け電気通信利用役務の提供」)とに区分されることとされました。

 消費税法においては、課税資産の譲渡等を行った事業者が、その課税資産の譲渡等に係る申告・納税を行うこととされていますが、電気通信利用役務の提供のうち「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、国外事業者からその役務の提供を受けた国内事業者が申告・納税を行う、いわゆる「リバースチャージ方式」が導入されました。

 但し、「事業者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合のリバースチャージ方式は、経過措置により、当分の間は、その課税期間について一般課税により申告する場合で、課税売上割合が95%未満である事業者にのみ適用されます。

 その課税期間において、課税売上割合が95%以上の事業者や簡易課税制度が適用される事業者は、「事業者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合であっても、経過措置により当分の間、その役務の提供に係る仕入れはなかったものとされますので、その課税期間の消費税の確定申告では、その仕入れは課税標準額、仕入控除税額のいずれにも含まれません。

 つまり、中小企業の多くが該当する課税売上割合が95%以上の事業者等では、グーグル広告(「事業者向け電気通信利用役務の提供」に一般的に該当します)の支払いに関わる消費税の処理は、従来と同じ、不課税処理となります。

■AWS利用料の支払い

 国外事業者から「消費者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合には、経過措置により、当分の間、その役務の提供に係る課税仕入れについて仕入税額控除を制限することとされました。

 ただし、その役務の提供を行った国外事業者が「登録国外事業者」である場合には、その登録国外事業者から受けた「消費者向け電気通信利用役務の提供」に係る課税仕入れについて仕入税額控除を行うことができることとされました。

 ちなみに、AWSサービスは、上記の「消費者向け電気通信利用役務の提供」に一般的に該当し、更に、AWSサービスを行うAmazon Web Services,Inc.は、上記の「登録国外事業者」に該当します。

 つまり、AWS利用料の支払いは原則的には消費税の課税取引と変わりました。

参考:登録国外事業者名簿