最新! 税務調査手続き-1
   
作成日:05/21/2014
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


あまり知られていませんが、実は、税務調査の取り扱いが平成26年7月1日から変わります。

今回から何回かに渡って、皆さん(特に事業者)が知っておくといいのではないかと思われる税務調査の変更点をお伝えします。


■平成23年改正

平成23年及び平成26年において、税務調査手続きが大きく改正されました。

まずは、平成23年改正の概要です。

調査手続の透明性と納税者の方の予見可能性を高めるなどの観点から、税務調査手続について従来の運用上の取扱いが「法令上明確化」されるとともに、

○全ての処分(申請に対する拒否処分及び不利益処分)に対する理由附記の実施

及び

○記帳義務の拡大

等が定められ、税務調査手続の法定化及び理由附記の実施に係る規定については、平成25年1月1日から施行されています。

(注)個人の白色申告者(所得税及び復興特別所得税の申告の必要がない方を含みます)に対する理由附記については、平成20年から平成25年までのいずれかの年において記帳・帳簿等保存義務があった方などを除いて、平成26年1月1日から適用されます。

他にも、「更正の請求期間の延長」等が行われています。


■平成26年改正

次に、この平成23年改正を受けての平成26年改正の概要です。

上記の平成23年改正では、調査の事前通知については、納税者の方と税務代理人の双方に対して通知することとされていましたが、この改正により、平成26年7月1日以後に行う事前通知については、税務代理権限証書に、納税者の方の同意が記載されている場合には、税務代理人に対してすれば足りることとされました。

また、国税庁ではこの改正を踏まえて、平成24年9月に策定した法令解釈通達、事務運営指針及び税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)、税務調査手続に関するFAQ(税理士向け)を改正しました。

(注)国税通則法等の改正に併せて、税務代理権限証書の様式も改訂されました。平成26年7月1日以後に税務代理権限証書を提出する場合は、改訂後の様式を使用することになりますが、改定前でもその旨税務代理権限証書に書くことにより、過去の申告含めて上記の取扱いが可能です。


■税務代理権限証書に「過去分含めて事前通知を税理士へ」と記入

税務代理権限証書は、上記のように提出時期によって2種類が存在しています。

平成26年7月1日以降に提出する場合
改訂後の税務代理権限証書


平成26年6月30日までに提出する場合
改訂前の税務代理権限証書

税務調査が予定されたときに、税務署から直接皆さん(主に事業者)の所に電話があったら嫌ですよね。

「もしもし、税務署ですが・・・」

びっくりしますよね(顧問税理士がいない場合はそうなりますが)。

できれば、顧問税理士経由で連絡があったほうが、安心しませんか。

それであれば、平成26年7月1日を待たずとも、上記にあるように、改正前の税務代理権限証書の「2 その他の事項」欄に、「過去分含めて事前通知を税理士へ行うことに同意します」というような内容を申告時に記入して提出しておいてもらうといいでしょう。

もしかしたらご存知のない税理士の方もおられるかもしれませんので、納税者であるあなたから顧問税理士に伝えておくといいでしょう。

もちろんはマネーコンシェルジュ税理士法人では本人確認の上、そのような取り扱いを既に実施しています。

次回に続きます。