マイナンバーと消えた年金と漏れた年金
   
作成日:06/11/2015
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


■始まりは「消えた年金問題」から

今年の10月に、各家庭に簡易書留で、通知カードという形式で送られてくる予定の「マイナンバー」ですが、その導入の理由付けの1つとして、「消えた年金問題」があります。

消えた年金とは、旧社会保険庁によって不適切に管理された年金記録のうち、加入者が保険料を納付したにも関わらず、引っ越しによる住所の変更・結婚による姓の変更等から人物特定が困難となったために生じたとされる「納付記録がない年金記録」のことです。

2007年に発覚しました。

ちなみに、2007年は第一次安倍内閣であり、この消えた年金問題も少なからず影響してか、その後、退陣となりました(公表では病気が理由)。

この消えた年金問題の影響は大きく、当時は健康保険と年金を取り扱う社会保険庁管轄の「社会保険事務所」が全国にありましたが、2007年の通常国会で解体・改革が決定し、政府管掌健康保険の運営は2008年から「協会けんぽ」として「全国健康保険協会」に、公的年金の運営は2010年から「日本年金機構」に引き継がれました。

マイナンバーが導入されて、「旧字等もあり特定困難なことも多々ある日本語」ではなく、「特定不能とはならない数字」による管理ができれば、年金が宙に浮く(消える)事はないだろうということのようです。


■今度は「漏れた年金問題」

日本年金機構不正アクセス事案についての
お詫びとお願い

日頃より、年金事業の運営につきまして、ご理解ご協力を賜り、誠にありがとうございます。

この度、日本年金機構のコンピュータシステムのうち、内部事務処理のためのネットワークに対し、ウィルスメールによる不正アクセスが行われ、一時的に職員の共有フォルダに保存していた個人情報の一部が流出したことが確認されました。

誠に申し訳なく、心からお詫びを申し上げます。

流出が確認されました情報は、最大でお客様の「基礎年金番号」、「お名前」、「生年月日」、「住所」であることが、現在判明しております。

日本年金機構では、お客様の年金を守ることをお約束いたします。お客様の情報が不正に利用されるなど、今後のお客様の年金支払いへの影響が出ることが万が一にもないよう、万全の対応をとってまいります。

更に安全を期すため該当するお客様には基礎年金番号を変更させていただき、新しい基礎年金番号を郵送でお送りいたします。

大変ご不便をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。
 

6月1日に発覚した「漏れた年金問題」ですが、上記は現在日本年金機構のHPに掲載されている「お詫び」の文章です。

来年1月から施行される予定のマイナンバーですが、この漏れた年金問題が少なからず影響するのは間違いないでしょう。

現段階でも、マイナンバー関連の国会審議ストップや、マイナンバーと年金の連携時期を後退させる案など、色々と物議をかもしているようです。

安倍内閣にとっては、年金問題はまさに鬼門ですね。

新しいマイナンバー関連の情報がわかりましたら、このコラムを通じて、またお伝えしますね。