CLM旅行記-ミャンマーはベトナムの15年前
   
作成日:08/01/2014
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


前回からの続きです。

■東南アジアバブル

少しでいいですから、東南アジア(インドネシア・カンボジア・シンガポール・タイ・フィリピン・ベトナム・マレーシア・ミャンマー・ラオス等)を意識したうえで、新聞を読んでみてください。

驚くほど、多くのニュースが目の前に飛び込んで来るはずです。

私自身がそうでしたのでわかりますが、意識していないと全く見えていない人もいまだに多くおられます。

一例ですが。

日経新聞2014.7.15

アジアで稼ぎ最高値 花王・マンダム株、成長取り込み

株式市場ではアジアで稼ぐ企業の株が相次いで上場来高値を更新している。
円安一服で輸出関連株が伸び悩む中でも、花王やマンダムなどアジア市場の成長力を取り込み、着実に収益を伸ばしている企業は人気を集めている。

アジア新興国の景気不安の後退も追い風となり、投資家の目が再びアジアの成長力に向き始めた形だ。
 

記事では続けて、東南アジアで投資などに積極的な以下の企業について、それぞれ今年の株価上昇率を記しています。

花王27%・・・インドネシアに新工場
アサヒ8%・・・買収や合弁で東南アジア主要国に展開
マンダム13%・・・利益の約1/3がインドネシアなど海外
ダイキン工業3%・・・インドネシアのエアコン販売会社を買収
日本ペイント26%・・・シンガポール塗料大手と関係強化


■東南アジアにおけるミャンマーの位置付け

色々な経済指標などを比較して、よくいわれるのが、ミャンマーは15年前のベトナムと似ている、と。

実際、現地の日系IT企業に聞いても、いまだに大体1日に1回ぐらいは停電があるそうです。

もちろん、そこそこのビルやホテルでは自家発電装置があるので、何もかもがすぐにアウト! ということではありませんが、やはり不便です。

また、とにかく古い車が多いので、排気ガスしかり、タクシーの清潔度しかり、なかなかのものでした。笑


(後ろがパカパカしているバス)


(こういうものが圧倒的に不足しています)

当然に、通信インフラも弱いです、いや弱すぎます。。。

私もミャンマーのヤンゴンにいるときに、結構重いファイルを受信しないといけなくて、(勝手な話ですが)送信者をうらみました。笑

とはいえ、後発者ゆえのチャンスも多数ありますので、ベトナムまでの経済環境になるまでに15年もかからないかもしれません。

更にちなみにですが、現在のベトナムでは既に700社ほどがIPOしているという現実もありますので、ミャンマーは今後恐るべし! となる可能性は高いです。

(M=Myanmar、ミャンマー(旧ビルマ)の概要)
国名 ミャンマー連邦 Union of Myanmar
面積 67万6,578平方キロメートル
   (日本の1.6倍)
人口 6,062万人(2011年)
首都 ネーピードー(経済の中心はヤンゴン)
言語 主にミャンマー語
宗教 仏教(89.4%)等
通貨 チャット(1000チャット=100円、
   覚え方は0を1つ取る)
時差 マイナス2時間半
1人当たりGDPは約800ドル
(日本は約38,000ドル)


■ミャンマービールはうまい!でも、値段が・・・

東南アジアは暑い気候のため、一般的にはゴクゴク飲める薄い感じのビールが多いです。

しかしここ、ミャンマーは違います。
特にミャンマービールは、コクがちゃんとあって味がしっかりしています。
うまい!



このミャンマービールは、モンドセレクションで金賞を受賞など国際的に認めらたビールです。
仏教徒の多い(しかも上座部仏教)国ですが、みんなゴクゴク飲んでいます。

でも、値段に不思議があります。

お店で缶ビールを頼むと、大体100円ぐらいです。
では、生ビールを頼むといくらだと思いますか?

150円?
200円?

答えは、CMの後で!


■ビール好きに朗報

嘘です。笑

答えは、大体50円ぐらいです。

そうです、生ビールの方が安いのです。
ここでは、ビールの逆転現象が起きています。

ビール工場はミャンマーにあるのですが、多分、人件費や原料が安くて、逆に輸入(?)しないといけない缶が思いのほか、高いのでしょう。

ミャンマーに行かれる方はビールは生の方が安い! と覚えておいて下さい。
そして、おいしい。
東南アジアでよくある薄い味のない、現地の人は氷を入れて飲むようなあのビールではありませんので、好きな方は是非お試しあれ。


■麺系ご飯系、ともにベリーグッド

東南アジアの中でもミャンマーが他と違い異質に感じるのは、インド系の人が多いことです。


(私を日本人墓地まで運んでくれたタクシーの運ちゃん、可愛い2人の息子有り)

そのことは、食事にも影響しています。
ビルマ料理屋には、カレーメニューがあります。
また、全体的に油っこい感じのものが多いです。

私は使うことがありませんでしたが、現地に詳しい方にはビオフェルミン等をもっていくように勧められました。

で、結局ミャンマー料理はどうなの? 日本人の口に合うの? それとも・・・?

答えは、
 ↓
 ↓
 ↓
CMの後で!

いや嘘です。

答えは、とてもおいしいです。
私の東南アジア歴の中では、一番です。



写真が下手なのと、机を整理せずに撮ったので、あまり良い写真ではありませんが、手前左が野菜入りの麺、手前右がチャーハン、真ん中左はアボガドジュースです。

麺は辛すぎず、あっさりしすぎず、はっきりいっておいしい。
とはいえ、チャーハンのうまさにはかないませんが。
ご飯がタイ米ではなく日本と同じような米なので、日本人に合います。

御見苦しい写真で大変恐縮ですが(これを撮ったS塚君、たのむよー)、これは餃子です。



これもまた、普通にうまい。

こっちは朝食です。




いくらおいしくても私ダメなんですーというそこの女性!
後発開発途上国であるミャンマーでも、普通にホテルに行けば、今やなんでもありますのでご安心あれ。





食事ついでにお話ししておくと、ここミャンマーでも、日本食はブームです。
たまたま、ネットしに上記のホテルでコーヒーを注文したのですが、その横のレストランが日本食フェアーをしていました。
(ネットwifiをしにホテルや喫茶店に入るのは、今やアジアでは普通のこと)

来ているのは、日本人以外がほとんど。
もちろん、料理人もミャンマー人です。




ここに入って私が食べたのが、上記のパスタ。
これだけミャンマー料理がうまいと言っておきながら何ですが、東南アジアに来て2日目でパスタに逃げたというのも事実です。笑

もちろん、道端ではこういったアジアらしいのもあります。




■ミャンマーの生活感

ご飯のことだけでも書いているときりがなさそうなので、ここらで、ミャンマー(ヤンゴン、首都はネーピードーですが経済の中心地はここです)をブラブラ歩いてみて感じたことをいくつかご紹介します。

物乞いや詐欺師が少ない。

今までの東南アジア旅行では、学校に行っていない子供や、道端で赤ん坊を抱いて座っている老女などを見て、初日か2日目の晩にホテルでブルーになるのが、通例でしたが、今回はそれがありませんでした!!
うれしい!

経済が未開の分、そういったマイナスの側面もまだ未開のようです。

大変な状況になれば、家族や親せきが普通に助けるのでしょう、普通に。

また、道を歩いていて地図を眺めていたりすると、英語のわかるミャンマー人が多分善意で声をかけてきてくれました。

最初は詐欺師かと思いましたが、そうではなく、普通に困っている人がいたら普通に助けてあげる、ということのようです。

所得は低いのですが、町には笑顔があふれていました。
本当に幸せそうに見えました。

私が行った7月は雨季でしたので、2日に1度はほぼ必ずスコールがあります。
その影響もあるのでしょうが、やたらと草履が売っていて、やたらとみんな草履をはいていました。
お寺に入るのは裸足となるので、それも影響しているのかもしれませんが。
これは、CLM共通でした。


(写真はラオスのビエンチャン)

乗り物ですが、カンボジアやラオスなどのようにトゥクトゥクのようなものはありません。

タクシーかバイクタクシーとなります。
もちろん、メーターはありませんので、事前交渉制です。

(交渉時に使えるミャンマー語)
こんにちは・・・ミンガラバー
ありがとう・・・チェーズーテンマーレー
さようなる・・・タッター
大丈夫・・・ヤーバデー
いくら・・・ベラウディ
「まけて・・・ネネショウバ!」←これはミャンマー人に受けますよ。

最初普通に少し高めで言ってきますが、220円を300円という程度です。
どこか他のヤンチャな東南アジアの国のように、300円といわれたら半値八掛けなどと思って交渉すると、向こうがあきらめて帰っていきますので、ご留意下さいませ。

実際ミャンマー語のできる日本人と一緒にタクシーに乗ろうとして、交渉していたのですが、断られました。

あと、ドルやユーロからの両替は大抵OKですが、日本円が両替できるところは結構少ないので、空港両替がいいでしょう。
空港はとても小さいのですが、空港レートは悪くありませんでした。

ドルも結構流通しています。


■中小企業でも東大が採用できる?

学力があっても、なかなか良い職がないのが後発開発途上国の特徴の1つです。

しかし、これを逆手にとれば、日本語は話せないけど、優秀な人材を安く確保できると考えることもできます。

ある方は、日本の中小企業は東大出を採用できないけれど、こちらに来ればそれも可能だとおっしゃっていました。

また、ミャンマーの識字率は92%で、他の東南アジア諸国の中でも高いです。
(カンボジア・ラオスともに73%程度)

労働事情としての賃金相場ですが、製造業における日系企業の平均賃金は、
・ミャンマー 年収11万円
・カンボジア 年収14万円
・ラオス 年収23万円
となっています(ジェトロ2012年10-11月実施調査、以下同じ)。

賃金は職種や立場によって全く異なります。
ミャンマーにおける賃金詳細です。
・製造業作業員 年収11万円
・製造業エンジニア 年収24万円
・製造業マネージャー 年収68万円
・非製造業スタッフ 年収34万円
・非製造業マネージャー 年収101万円


■日本人墓地(ミズシマー ←映画を見ればわかります)

ミャンマーのヤンゴン市内からタクシーで2-30分ほどの所に、日本人墓地があります。



映画「ビルマの竪琴」で主人公水島のモデルといわれる中村一雄さんのお墓もあります。



ミャンマーでは輪廻転生が信じられている影響でか、お墓はあまり大事にされていないようです。
お墓がないケースも多いようですし、あっても荒れ果てているようです。

しかし、この日本人墓地は、とてもきれいにされています。



現地の方が(多分)お仕事として色々とお世話をしてくれているようです。
現地の方が見守る中、名前を記帳するのですが、その横に寄付額を書くようになっています。
他の方の寄付額も丸見えで、自分の住所と名前を書いた後に寄付額を書く、という流れですので、いい加減なことはできません。


■ミャンマーへの国別入国者数は意外な結果?

ミャンマーでは、家電で中国や韓国に大きく先を越されていたり、インフラ整備でも他国の後塵に甘んじていたりするのが現状です。
(しかし、ヤンゴン中心市街地から20キロほどの所にあるティラワ経済特別区SEZが、現在日本を中心に2015年夏までの開業を目指して開発中!)

実際、ホテルなどで日本の家電製品はほとんど見かけませんでした。

以下は、近年のミャンマーへの国別入国者数です(ミャンマーホテル観光省)。

2011年
1位 タイ 61,331人
2位 中国 35,181人
3位 マレーシア 23,286人
4位 韓国 22,507人
5位 日本 21,264人


2012年
1位 タイ 91,817人
2位 日本 47,501人
3位 中国 41,542人
4位 米国 36,476人
5位 韓国 34,694人

タイや中国は陸続きですので多いのはわかるのですが、2012年における日本の躍進は目覚ましいです。
観光ではなくビジネス目的の方が多いようです。

これからの、ミャンマーにおける日本人の活躍が期待されます。

次回は、ラオスを予定しています。