『社会保障と税の一体改革』はすべての人に影響大−2
   
作成日:02/01/2012
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


前回からの続きです。


■社会保障改革の6つの方向性

そして、以上を前提として、以下の6つの方向性に沿って各分野の改革を進めていくとしています。

1.未来への投資(子ども・子育て支援)の強化
子ども・子育て新システムを創設し、子どもを産み、育てやすい社会を目指す。

2.医療・介護サービス保障の強化、社会保険制度のセーフティネット機能の強化
高度急性期への医療資源集中投入など入院医療強化、地域包括ケアシステムの構築等を図る。
どこに住んでいても、その人にとって適切な医療・介護サービスが受けられる社会を目指す。

3.貧困・格差対策の強化(重層的セーフティネットの構築)
すべての人の自立した生活の実現に向け、就労や生活の支援を行うとともに、低所得の年金受給者への加算など、低所得者へきめ細やかに配慮を行い、すべての国民が参加できる社会を目指す。

4.多様な働き方を支える社会保障制度(年金・医療)へ
短時間労働者への社会保険適用拡大や、被用者年金の一元化などにより、出産・子育てを含めた多様な生き方や働き方に公平な社会保障制度を構築する。

5.全員参加型社会、ディーセント・ワークの実現
若者をはじめとした雇用対策の強化や、非正規労働者の雇用の安定・処遇の改善などを図る。
誰もが働き、安定した生活を営むことができる環境を整備する。

6.社会保障制度の安定財源確保
消費税の使い道を、現役世代の医療や子育てにも拡大するとともに、基礎年金国庫負担2分の1の安定財源を確保し、あらゆる世代が広く公平に社会保障の負担を分かち合う。

これら詳しくは以下をご覧ください。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/syakaihosyou/seihu_yotou/kourou.pdf


■税制抜本改革の基本的方向性

社会保障改革と一体的に実施する今回の税制抜本改革の最大の柱を、「社会保障財源を確保するための消費税率の引上げ」としています。

その理由として、
 


消費税は高い財源調達力を有している


消費税は税収が経済の動向や人口構成の変化に左右されにくく安定している


消費税は勤労世代など特定の者へ負担が集中せず、経済活動に与える歪みが小さいという特徴を持っている
 
として、更に、「社会保険料など勤労世代の負担が既に年々高まりつつある中で、こうした特徴を持ち、幅広い国民が負担する消費税は、高齢化社会における社会保障の安定財源としてふさわしいと考えられる」としています。

しかし今回の税制抜本改革は、消費税増税にとどまらず、「人口減少と少子化・高齢化の同時進行」、「格差の拡大」、「家族や働き方の多様化」、「グローバル化の進展」、「エネルギー制約・環境問題といった世界的規模の課題」、「長期的なデフレ・低成長の中での新たな成長戦略の必要性」といった我が国の経済・社会構造と内外の環境の変化に対応し、新たな日本にふさわしい税制全体の姿を実現することを目指す、としています。

具体的には、消費税とともに車の両輪を成す所得税については、「特に高い所得階層に一定の負担増を求めることにより、その累進性を高める」としています。

また、資産課税については、「相続税の基礎控除等の見直しを行い、税制全体としての再分配機能の回復を図る」としています。

さらには、税制に対する国民の信頼を確保するために、「社会保障・税番号制度の導入も展望しつつ、「公平・透明・納得」の三原則を基本とし、できるだけ税制を公平かつ簡素で分かりやすいものとする取組を進める」としています。

次回に続きます。