消費税増税がいよいよスタート-3
   
作成日:04/21/2014
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


前回からの続きです。

■事業者免税点制度の改正

今回の消費税の改正は、単に税率が5%から8%へと3%上がるということに留まりません。

他にも、いくつか消費税関連の改正がなされているのですが、中小企業にとって意外と影響が大きいかもしれないのが、この事業者免税点制度の改正です。

今までは、原則として、約2年前の売上高が1,000万円超であれば、今年において消費税の課税事業者となり、1,000万円以下であれば免税事業者となります。

では、新たに設立された会社はどうなるのでしょうか。
個人事業が法人成りしたような場合はどうなるのでしょうか。

これらについては、2年前の会社としての売上高は0円な訳ですから、原則として、消費税免税事業者となります。

但し、資本金が1,000万円超の会社は、設立後約2年間は強制的に課税事業者になるという別の規定もあります。

ここまでは、改正前の取扱いです。


■特定新規設立法人の事業者免税点制度の不適用制度の創設

その事業年度の基準期間がない法人で、その事業年度開始の日における資本金が1,000万円未満の法人(新規設立法人)のうち、次の1、2のいずれにも該当するもの(特定新規設立法人)については、その特定新規設立法人の基準期間のない事業年度に含まれる各課税期間における課税資産の譲渡等について、納税義務が免除されないこととなりました。


1.

その基準期間がない事業年度開始の日において、他の者によりその新規設立法人の株式等の50%超を直接又は間接に保有される場合など、他の者によりその新規設立法人が支配される一定の場合(特定要件)に該当すること。
 

2.

上記1.の特定要件に該当するかどうかの判定の基礎となった他の者及びその他の者と一定の特殊な関係にある法人のうちいずれかの者(判定対象者)のその新規設立法人のその事業年度の基準期間に相当する期間(基準期間相当期間)における課税売上高が5億円を超えていること。
 

(注)「基準期間」とは、原則としてその事業年度の前々事業年度をいいます。

つまり、5億円を超える会社を経営する経営者等が新たに法人を設立した場合には、その法人の資本金がたとえ1,000万円未満であっても、設立1期目2期目について、消費税の課税事業者になる可能性が高いという事です。

またこの規定は、平成26年4月1日以後に設立される新規設立法人で、特定新規設立法人に該当するものについて適用されます。


■任意中間申告の創設

今までの消費税の中間申告制度では、



直前の課税期間の確定消費税額等6,000万円超→年11回の中間申告


直前の課税期間の確定消費税額等500万円超→年3回の中間申告


直前の課税期間の確定消費税額等60万円超→年1回の中間申告
 

となっていましたが、平成26年4月1日以後に開始する課税期間からは、以下のように改正されます。

直前の課税期間の確定消費税額等が60万円以下の事業者(中間申告義務のない事業者)が、任意に中間申告書(年1回)を提出する旨を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出した場合には、その届出書を提出した日以後にその末日が最初に到来する6月中間申告対象期間から、自主的に中間申告・納付することができることとされました。

ということで、改正後は以下となります。



直前の課税期間の確定消費税額等6,000万円超→年11回の中間申告


直前の課税期間の確定消費税額等500万円超→年3回の中間申告


直前の課税期間の確定消費税額等60万円超→年1回の中間申告


直前の課税期間の確定消費税額等60万円以下→年1回の任意の中間申告
 

次回に続きます。