法人税が下がります~平成27年度税制改正大綱
   
作成日:01/09/2015
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


■平成27年度税制改正大綱

政治の混迷の影響で、通常より約2週間遅れになりましたが、昨年末の平成26年12月30日に、「平成27年度(2015年度)税制改正大綱」が発表されました。

127ページほどの大綱を読んでの感想は、




企業に対しては「黒字企業を奨励し、そうでない企業には撤退をせまる」


個人に対しては「高齢者から若者への資産移転の奨励」及び「投資の奨励」
 

です。

一方で、国家財政再建に必要である「消費税率10%アップは延期」されました。

ここまで税制が景気対策のみにすり寄っていいものなのか、更には日本人に馴染みにくい個人投資へこれほどまでに過度な奨励を行っていいものなのか、いささか疑問に感じています。


■法人税が下がります

平成27年度税制改正大綱では、下記のように記されています。

法人税の税率を23.9%(現行25.5%)に引き下げ、法人の平成27年4月1日以後に開始する事業年度について適用する。

(注1)中小法人の軽減税率の特例(所得の金額のうち年800万円以下の部分に対する税率:19%→15%)の適用期限は、2年延長する。また、中小法人の軽減税率(19%)は、引き続き、中小法人課税全体の見直しの中で検討する。

(注2)公益法人等の軽減税率の特例(所得の金額のうち年800万円以下の部分に対する税率:19%→15%等)の適用期限は、2年延長する。また、公益法人等の軽減税率(19%等)は、引き続き、公益法人等課税全体の見直しの中で検討する。

(注3)協同組合等の軽減税率の特例(所得の金額のうち年800万円以下の部分に対する税率:19%→15%等)の適用期限は、2年延長する。また、協同組合等の軽減税率等(19%等)は、引き続き、協同組合等課税全体の見直しの中で検討する。
 

更に、別途事業税の改正もあり、結果下記のように改正される予定です。

法人実効税率
(現在)34.62%→(平成27年度)32.11%→(平成28年度)31.33%

更には、その先には20%台まで引き下げることを目指す、となっています。


■会社を作って節税する!

平成23年税制改正前まで日本の法人実効税率は40%以上ありました。
それがいよいよ国際標準並みの30%程度に下がります。

一方、個人所得課税は、平成27年から最高税率が所得税と住民税を合わせて50%から55%に引き上げられました。

つまり、所得が高い場合は、個人で儲けるより、会社で儲けたほうが得! ということになります。

これからは、個人事業の方や資産家の方は、「会社を作って節税する」という観点を覚えておいてください。

Ps.ただし、上記の税制改正大綱の注書きで、「中小法人の軽減税率は、引き続き、中小法人課税全体の見直しの中で検討する」とあるのは気になるところです。



今回の内容は国会を通過するまでは正式な決定事項ではありませんのでご注意ください。(政治が安定していますのでこのまま決まる可能性が高いと思われますが)。