CLM旅行記-小さいけど幸せな国・ラオス
   
作成日:08/08/2014
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


前回からの続きです。

■東南アジアにおけるラオスの位置付け

ラオスって聞いても、多くの日本人にはイメージがわかないのではないかと思います。

多分、一番有名なのは、町全体が世界遺産というルアンパバーンではないでしょうか。

他にも特徴的なのが、実は中国やベトナムと同じいわゆる社会主義の国なのです。
そのため、政治的にはベトナムの影響が大きいようです。
実際、飲食店なども夜11時までと法律で決まっています。

また、地理的には、カンボジアと同様にベトナムとタイにはさまれた所にあります。
そのため、経済的にはベトナム以外にもタイの影響も大きいです。


(写真はベトナム系のサコムバンクですがビエンチャン市内にありました。口座を持っていますが丁寧な金融機関ではないかと思います。)

あともう1つ、他の東南アジアと比べてラオスで注意してみておかないといけないのが、経済規模が小さいということです。

(L=Laos、ラオスの概要)
国名:ラオス人民民主共和国(Lao People’s Democratic Republic)
面積:236,800平方キロメートル(ほぼ本州の面積)
人口:677万6,000人(2013年)
首都:ビエンチャン (人口:約80万人)
言語:主にラオス語
宗教:仏教等
通貨:キープ(1000キープ=13円、覚え方は0を2つ取って1.3倍)
時差:マイナス2時間
1人当たりGDPは約1,400ドル(他の国比べて少し高めですが上記にあるように人口や経済規模がとても小さい事に要注意、日本は約38,000ドル)


■経済回廊(けいざいかいろう)

経済を中心に考えた時に、東南アジアを東西に横断しようとすると、そのルートは2つあります。

1つは「南部経済回廊」、もう1つは「東西経済回廊」です。

南部経済回廊は、ミャンマー南部のダウェイからスタートして、タイの首都バンコク、カンボジアの首都プノンペンを経由して、ベトナム最大の商業都市であるホーチミンまでを結ぶルートとなっています。

一方で、東西経済回廊は、ミャンマーのモーラミャインをスタートして、タイ北部、ラオス南部を経由して、ベトナムのダナンまでを結ぶルートです。



東西経済回廊でラオスはタイと行き来がしやすくなりました。
また、ラオス語とタイ語はとても似ています。

このため、東南アジアではお兄ちゃん的な存在であるタイにマザー工場を置いて、労働集約的な工程をラオス等に移管するような動きも近年見られます。

背景には、タイの人件費高騰や政情不安などからくる、タイプラス1を目指す動きがあるようです。

言葉が似ているので、タイの優秀な教育されたマネージャーが、一般のラオス人を管理するといった形態が行われているようです。

中国も人件費高騰等がありますから、近年、ラオスやカンボジア更にはミャンマーをチャイナプラス1、タイプラス1として活用する動きが活発です。


■日本の仏教とは、チト違う

ミャンマー、カンボジア、ラオスでの共通項の1つとして、熱心な仏教徒の存在が挙げられます。

個人的に寺巡りは好きですので、いくつか趣味も兼ねて行きましたが、日本の寺巡りの時よりも、明らかに訪れる方の気持ちが真面目です。



お寺に入る時には、基本ノー靴下の裸足で、あまりにラフな格好はNG。
実際、ヤンゴンの有名なお寺であるシュエダゴォン・パヤーでは、このようにロンジーをつけるように言われました。

顧問先がミャンマーのヤンゴンに会社を設立されて、既に20人以上現地の方を雇用されているのですが、その事務所に訪問すると、事務所の隅っこにこんなものが自然と従業員の手でつくられていたそうです。


(ちなみに、真ん中の奇妙な形の金色の岩のオブジェは、落ちそうで落ちない不思議な岩の上に仏塔があることで有名なチャイティーヨー・パヤー。)

また、日本では馴染みが全くないですが、ハトに餌を与えたり、鳥を逃がしたりすると、得を積む(?)ことになるようで、お寺の周りにはそれらの斡旋をするお姉さんがいます。




とはいえ、実際のお寺に入ると、こんなにド派手。





(写真はラオスのビエンチャンにあるタート・ルアンというお寺にて)

実は、ミャンマー、カンボジア、ラオスにおける仏教と、日本の仏教は、少し違うのです。

日本の仏教は、極端に言えば手さえ合わせれば悪人でも救います(特に浄土系)、といういわゆる「大乗仏教」です。
大きな乗り物と書くぐらいですから、多くの民を救ってくれるというイメージでいいのでしょう。

それに対して、ミャンマー、カンボジア、ラオスにおける仏教は、上座部仏教(旧:小乗仏教)です。
上座部仏教では、出家して厳しい修行を積んだ僧侶だけがさとりを開いて救われるとされています。

そのため、これらの国では、日本ではびっくりするぐらいに、僧侶が尊敬されています。

一般庶民も得を積むことに熱心で、金ピカのお寺は、みんなの寄付で成り立っているのです。


(写真は、ヤンゴンのスーレー・パヤー。私も得を積むために金を貼っておきました!)

ちなみに、タイも上座部仏教です、仏像金ピカですよね。

また、日本でいえば神様系の原始宗教も色々とあるようで、それら原始宗教と新興宗教である仏教が入り混じっている部分もあります。


(仏様に猿等の動物というのは日本人の仏教観としては違和感がありますよね。)

町を歩いていると、日本によくあるような祠(ほこら)がありますが、最初ヒンドゥー教かと思いましたが、これ仏教らしいです。
原始宗教と仏教が融合している感じですね。




■徴兵制ならぬ徴仏制

詳細は良く知らないのですが、どうやらこれら上座部仏教の国では、徴兵制ならぬ「徴仏制」があるようです。

つまり、子供が、夏休みや冬休みの間とかに、お寺で数ケ月(?)とか生活しないといけないようです。

もちろん、頭を丸めてそれなりの恰好をして、ちゃんとお経の練習とかもするようです。


(写真は、ビエンチャンにあるパリの凱旋門を模して作られたパトゥーサイ近くです。)

ミャンマーではこんな感じ。



こういった子供時代からの仕組みが、これらの国々の真面目で控え目な国民性をつくっているのだと思います。

私が東南アジアを好きなのはその国民性にありますが、そのバックボーンの1つがこの宗教教育にあるようですね。


■ラオス料理はラープが基本

ラオス料理を食べたかったので、地球の歩き方のトップに出ていたレストランに何の予備知識もなく入りました。

コース全体で飲み物入れて1,500円ぐらいでした。

で、入ってビックリ、実はこのレストラン、とても有名な所だったようです。





(日本の元首相や皇族の方もお越しになっていたようです。)

肝心の料理ですが、こちらになります。



覚えている限りで書くと、


真上の丸い玉→確か魚を練り込んだもの(完食しましたが普通)


その右横の肉の上に葉→これが有名なラープで豚肉をミンチ状にして上に香草が乗せてある。ご飯等にかけて食べる(普通)


その右横→牛肉と野菜と何か(残しました)


その右横→スープに麺、あっさり味(残しました)


手前の竹製のふた付き箱に入っているもの→下記にて(完食)


その左横→真ん中の香草につけて食べる味噌っぽいタレ(おいしい)


その上の葉に包まれているもの→鶏肉(おいしい、完食)


その上→確か魚の揚げ物(完食しましたが普通)
 

手前の竹製のふた付き箱に入っているものの中は、赤飯です。
ちなみに、この赤飯の入れ物でもある竹細工もラオスでは有名。



こちらは、ラオスの定番ビールであるビオラーオです。
ちょっとリッチに、それのゴールド版です。



食事の番外編ですが、とにかく東南アジアはどこに行っても日本食がブームです。
実際にやっているのは、中国や韓国の人であったりするのですが、来ているお客さんの半分以上は日本人以外の現地の方や欧米人です。

そういえば、こんな看板もありました。



また、日本の食事VS東南アジアの食事で、東南アジアがいつも圧勝するのが、フルーツ系です。


(ビエンチャン市内の喫茶店にて朝食です)

フルーツそのものもそうですが、ジュースやジャムなんかは本当に最高にマイウーです。

とはいえ、東南アジアらしいこんな物売りもいまだ現役。



こちらは、ご飯をたいています。




■覚えておくと旅行が楽しくなるかも・・・ラオス語

最後に、覚えておくと旅行が楽しくなるかも、というラオス語のご紹介。

こんにちは・・・サバイディー
ありがとう・・・コーブチャイ
大丈夫・・・ポーペンニャン(←これ有名)
さようなら・・・ソウディ
いくら・・・タウダイ
まけて・・・ルーダイボー

次回はこのシリーズの最終回で、カンボジアを予定しています。