インドネシア滞在記-ジャカルタ企業視察編
   
作成日:01/10/2014
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


前回からの続きです。

■ジャカルタ企業視察

ジョグジャカルタからエアアジアでジャカルタへ帰ってきました。

ここで、80人程の税理士会計士団体と合流し、パナソニックの子会社や外注先である板金プレス現地企業、鹿島建設子会社等を視察しました。

また、その間にJETROの方や現地コンサルティング会社からのセミナー等を拝聴しました。

JETROの方は日本人ですので日本語で、インドネシアの方の場合は同時通訳という形で、セミナーが行われました。


■日本語での掲示

パナソニックの子会社では、会社の中にも入らせて頂き、また工場も視察させてもらったのですが、最初一番びっくりしたのが、日本の工場と同じ標語が日本語で掲示されていたことです。

具体的には、5Sや3現と書かれていて、「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」、「現場、現物、現実」と書かれているのです。

現地の言葉で同じ内容の事を実行するのはわかるのですが、日本語そのままで教育されていて実際それが実行されているというのには驚きでした。

これはこちらの押し付けだけでは実現できないと思いますので、インドネシアの方々の日本や日本人に対する受け入れ態勢があって初めて実現できるのではないかと思いました。

これもネシアが親日であるからこそ実現できることだと思います。
ネシアは、ナイジェリアと並んで世界で一番か二番目に日本の事を好きな国だそうです。

ちなみに、この会社は設立されて確か50年以上経過していて、日本以上に終身雇用ですので、いくつものOB会のようなものが出来ているそうです。

現地の方でもがんばると上に行けるというのは、他国とはだいぶ異なる仕組みのようです。
定着率も非常に高いです。

あ、そういえば、ネシアの親日といえば、こんなTシャツを着た人もちらほら。



(遠足という感じのオジサンではありませんでしたが・・・)


■家電の普及率

家電普及率ですが、手元の2011年のインドネシア二輪車工業会の資料によると、

テレビ・・・7割弱(電気が通っている家には概ね1台ある様子)
冷蔵庫・・・3割弱
洗濯機・・・1割弱
エアコン・・・0.5割

この暑さでエアコンの普及率が5%とは驚きです。

このクソ寒い中ではなかなか伝わらないと思いますが、ネシアでは、ジャカルタでもジョグジャでもバリでも、どこにいても日中はとにかく暑いです。

外出する前には日焼け止めクリームと帽子は必須です。
できれば、帽子もこんな感じの首が焼けないタイプがお勧めです。
(イチイチ恰好を気にしていてはいけません。)



あんまり暑いのでこんな人もいます。



(頭にヘルメットが・・・)

更にこんな人も。



(今度はミニ日傘・・・)

とはいえ、日本もかつてエアコン無しで生活していたんですもんね、
一度快楽を知ってしまうと本当に人間は恐ろしいものですな。


■省エネ

インドネシアでは、家庭に来る電力が大幅に不足しています。
大体、900Wだそうです。

ですので、家電製品はどれも、低い電力でも動くというのがポイントとなっています。

このあたり詳しくないのですが、日本の省エネと微妙に違うように思います。


■工場見学

冷蔵庫工場や板金工場などをいくつか、見学させてもらいました。

工場汚染水チェックかと思われますが、魚が入った水槽も近くに置かれていました。

まさに炭坑のカナリア(有毒ガス早期発見のために先頭者はカナリアを入れた籠を持って炭鉱に入る)ですね。

父親と兄が鉄工所をしている関係もあって多少工場は見慣れている所もあるのですが、はっきりいって、工場の中に入ってしまうと、日本もインドネシアも同じです。

しかも、ここでは普通に日本語で5S等の掲示もありますから。


■超富裕層の存在

何人かの方からちょこちょこ聞いたのが、ネシアにおける超富裕層の存在。

とある証券会社の方曰く、「この国の超富裕層を4-5人お客にできると、支店が1つ出来てしまう」とのこと。

数億ではなく、数百億円動かせる方がいるようです。

そこまでいかなくても、国民全体の約1%の250万人程が超富裕層らしく、インドネシアの統計に乗らずにネシア経済を下支えしているようです。

実際、鹿島建設の子会社が建設・運営しているプラザセナヤンという高級ショッピングモールで、1台1,000万円ほどの車が3日間で600台一気に売れたそうです。

ちなみに、車(現地生産していないもの)もウィスキーと同じで、関税の関係で高級車は日本で買うよりずっと高いです。
それでも売れます。

また長くなりましたので、次回に続きます。