アジア7or5ケ国巡り~フィリピン(マニラのマカティ、セブ)編
   
作成日:09/19/2014
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


前回からの続きです。

■フィリピンはカトリックの国

東南アジアはほとんどの国を回りましたが、フィリピンが他の国と比べて特殊なのは、キリスト教国であるカトリックの国だということです。

人口1億人の内、8割がカトリックだとしても、1億人×0.8=8,000万人の信者がいることになります(実際はもっと多いそうです)。

実はフィリピンは、世界有数のカトリック国なのです。

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で有名になった生田斗真演じるキリシタン大名の高山右近がバテレン追放令により、最後の地となったのもフィリピンのマニラです。
時間の都合で行けませんでしたが、マニラに銅像もあります。

このように東南アジアにありながらフィリピンはキリスト教国ですから、ハロウィンからの年末にかけてのイベントや休みの取り方は、欧米式です。
ビジネスでは知っておくべき重要事項。
東南アジアでは異質な感じとなりますが、理由は、スペイン植民地時代の影響からです。

下記の写真は、セブにあるフィリピン最古の教会の1つ「サント・ニーニョ教会」です。ちなみに、サント・ニーニョって、幼きイエスという意味らしいです。
教会内には、史上初の世界一周航海で有名なマゼランがセブの女王に贈ったといわれるサント・ニーニョ像がおさめられています。





下記は、サント・ニーニョ教会の近くにある「マゼランクロス」。
フィリピンにおけるキリスト教の第一歩。
この木製の十字架を煎じて飲むと病に効くと信じられていて、少しずつ持ち帰る人が多数出たため、現在では下記のように固い木でおおわれています。





蛇足ですが、マゼラン自身は実は世界一周前に亡くなっています。
亡くなったいや殺された場所が、セブのマクタン島(飛行場のある所)です。
殺したのは、セブの王様の1人「ラプ=ラプ王」。
こんな人です。



いや、もちろんギターを持っている方ではなく、銅像の方です。笑

この王様は、フィリピンでは目茶苦茶有名で、市や魚の名前なんかにそのままなっています。
セブで泊まったホテルにも、銅像とこんな有名な言葉が。





ラプ=ラプ王は、「ヨーロッパ人のアジア侵略に対して最初に反旗をひるがえした東南アジア人」とされています。

ちなみに、上記の言葉を勝手に超訳すると、
「私を支配するものは誰もいない。あなた方の前に平伏すことは無い、ただあるのは民への忠誠心に応えることだけだ」

(フィリピンの概要)
国名:フィリピン共和国
面積:約299,000平方キロメートル(日本の約8割)
人口:約1億人(2013年)
首都:マニラ市
言語:タガログ語、英語(地方言語多数有り、セブであればセブ語=ビサヤ語)
宗教:キリスト教(カトリック)
通貨:フィリピンペソ(1ペソ=約2.5円)
時差:マイナス1時間
1人当たりGDPは約2,800ドル(日本は約3,8000ドル)

豆知識ですが、通貨のペソというのはスペイン語で重量を意味しますが、ペソがつく国は、かつてのスペインの植民地ですので、スペイン圏となります。
例えばアルゼンチンペソやチリペソなどです。


■なぜフィリピンは伸び悩んできたのか

人口が多くて、若い人が多い。
英語が東南アジア1出来る。
民族が比較的温和で明るい。
日本から見た場合は東南アジアの中心地に近い

であるにも関わらず、過去のフィリピンは、1人当たりGDPが示すように、伸び悩んできました。

タイやベトナムがぐんぐん力を付けていくのを、羨んでいたような状況かと思います。

これだけ好条件があるにも関わらず、なにゆえ、フィリピンは伸び悩んできたのか?

それはなぜかと尋ねた~ら~♪

「フィリピンでは買いたいお土産が見つからない」と答える。

では、その心は?

「オリジナリティのある物が少ないから」

家族でグアムに行った時には、そこで仕事をされている方の多くがフィリピン人でした。

実はこれはたまたまではなくて、多くのフィリピン人が出稼ぎという形で、日本を含む東南アジアに出稼ぎに行って、そのお金を海外送金して、大家族を養っているのです。

出稼ぎが悪いという事ではもちろんないのですが、長い目で国家を見た時に知識や経験等が国に蓄積されていく部分が弱いのかもしれません。

ちょっと、大家族の話で脱線しますが、私が習っているスカイプ英会話のフィリピン人先生が、旅行で香港に行くという事で、私にお勧めのホテルを教えてほしいといってきて、前回書いたチョンキンマンションやその周辺のホテルの話をしたのですが、旅行人数を聞いてびっくり!

なんと、親族ばかりで15人だそうです。

ちなみに海外では1室いくらというホテルが多いですが、この場合ホテルとの交渉にはなりますが、大勢で泊まれるとだいぶお得になります。


■フィリピン不動産(プレビルドのコンドミニアム・コンドテル)

とはいえ、今のフィリピンはどうかというと、人口が1億人を突破し、インドからのコールセンター会社のセブへの移転加速等、経済を中心に急上昇しています。

それにあわせて、不動産価格も上昇しています。

フィリピンのマニラにあるマカティ市で、フィリピンの証券会社の方と話をしたのですが、「不動産株」が上昇率が高くて良いですよ、と言われていました。

実際、マニラのマカティ市とセブの不動産の現地見学をしたのですが、その周辺は既に建築ラッシュという感じでした。



ちなみに、東南アジアの不動産投資では、プレビルド方式のコンドミニアム(区分所有マンション)又はコンドテル(ホテル形式)というケースがあります(もちろん、普通に中古マンションというのもありますが)。

プレビルドというのは直訳すると「建築前物件」です。

日本ではなじみの薄い販売手法ですが、まだ完成していない建物が売りに出され、購入者はデベロッパーに頭金を積み立ての形式で支払い完成と同時に残金を支払って取得する(一括支払いだと大きく割引有り)という方式です。

デベロッパーの倒産や資金持ち逃げ等のリスクがありますので、信頼できるデベや仲介会社を見つけることがとても重要です。

プレビルドの場合は、お金を支払う段になっても、通常まだ工事に入っていませんから、大体このあたりにこのようなものが建つ予定だという、まさに、青田買い状態で、購入の判断をしないといけないことになります。

通常日本では、不動産投資をする場合、現地は最低見に行かないといけないよね、といわれますが、プレビルドの場合は、このような状態ですから、飛行機代を払って現地を見に行っても、何もないケースが多いということになります。

でも、私は投資前に是非とも現地に見に行くことを(一般論としては)お勧めしています。
現地に行くと、周囲の建築済み物件の状況から、将来の家賃収入の目安等わかることは多いです。

マカティでは、他社案件の既に運営されているコンドテルに泊まりました。
他社案件でもその周辺で泊まってみると、わかることもあります。






■フィリピンの退職者ビザ取得は今の内?

マレーシアやタイの永住権(に近いビザ)は、国が成熟していくにつれて要件が厳しくなってきました。

要は、まだまだその国の経済などが未成熟で多くの外国人に助けてもらわないといけない時期では要件を緩和して、経済が発展してくると要件を厳しくするといった感じです。

先進国では一般的に厳しいです。

そこで注目されているのが、フィリピンの特別居住退職者ビザ(SRRV)です。


フィリピン退職庁HPより

特別居住退職者ビザ(SRRV)を申請する退職者は自分の退職状況によってプログラムに登録するオプションがあります。

退職オプション及びそれぞれの必要な定期預金

1.年金有、50歳以上の方 - 必要とされている定期預金は10,000米ドルで、そして毎月の年金は、独身の申請者の場合800米ドルで、夫婦の場合1,000米ドルです。

2.年金無
・35歳~49歳の方 - 50,000米ドルの定期預金
・50歳以上の方 - 20,000米ドルの定期預金
など

3.居住退職者は追加の定期預金無しで配偶者及び21歳未満の子供、又は配偶者を連れてこない場合2名までの子供(独身21歳未満)を同伴することができます。なお子供を増やす場合、一人当たり追加の定期預金の15,000米ドルが必要です。しかし、上記の定期預金は預金の元金と条件が同じです。
 

退職といいながら、35歳以上となっています。
また、35歳~49歳の方は50,000米ドルの定期預金が必要となっていますが、そのお金はたとえば現地不動産の購入などで使うことが可能となっています。

ちなみに、年金生活者になって海外移住となる場合の日本からもらう年金ですが、実は、これ日本でもフィリピンでも税金がかからないことになっています(厚生年金、国民年金のみ)。
更には、日本からフィリピンの自分の口座への送金手数料も無料です。

今後この特別居住退職者ビザ(SRRV)の要件が厳しくなるのではないかと考えて、取得を急いでいるという方が実は今結構おられます。


■人件費や電気代、税金

フィリピンの首都マニラにあるマカティ市の一般的な人件費です。

ブルーワーカー・・・17,000円/月~
ホワイトカラー・・・40,000円/月~
最低賃金・・・・約5,000円/月

メイドさん(お手伝いさん)・・・10,000円/月(住込み)

日本の1/5~1/10ぐらいでしょうか。

一方、意外なのは、電気代が日本より高い(らしい)ことです。
フィリピンは火力発電ですが、フィリピン居住者の方が何人もそう言っておられました。

また、日本の消費税にあたるのがVATですが、フィリピンでは12%となっています。
込みでの表示がほとんどですので、レシートを見るまでは全く気づきませんが。



「Vat Amount 10.18」というのが、真ん中あたりにあります。

ちなみに話は飛びますが、大手ハウスメーカーの一条工務店は、フィリピンで家の部材等をつくっているそうです。


■マニラのマカティ

マカティってこんな感じです。
大都会って感じでしょ。



そのマカティにあるショッピングセンターに行きましたが、入ると日本とそう変わるところはないのですが、入る前が異様です。

こんな感じの方が必ずいます。



拳銃というよりライフルですね。

でもとてもフレンドリーで、空いている時間は、車の誘導や掃除など普通に雑務をこなしていたのが印象的でした。

でもやはり、中小企業が海外進出を考える場合、自身だけではなく従業員やその家族含めての治安は最重要事項だと思いますので、フィリピンのこのあたりの事情が改善されることを強く期待します。

もしかしたら、このあたりもフィリピンを一歩後ろに遅らせていた原因かもしれません。

大渋滞もマニラ名物ですが、こんな感じです。



通勤時のオフィス前。



でも入る時は、やはりセキュリティチェックは厳重です。




■セブ

観光地というイメージが強いかもしれませんが、実は、セブはフィリピン第2の都市です。

特に最近では、コールセンター事業などを中心に日系企業を含む多くの外国企業が進出しています。

セブは、古くからの事業としてはギター工場が有名です。





ちなみに、子供の土産に小さいギターを買いました(冒頭のラプラプ像の写真参照)。

このギター、確か現地では1,500円ほどだったと思うのですが、空港やデパートのお土産物屋では2~3,000円していました・・・。

一方、日本では馴染みが薄いですが需要は高いのが、メイドさん(家政婦さん=お手伝いさん)ではないかと思います。

フィリピンでは、世界にメイドさんを派遣していますので、メイドさん事業というビジネスも盛んです。

私が実際見てきたのは、日本語が出来て日本食がつくれるという「フィリピンにいる日本人向けのメイドさん事業」です。

費用は通常の3倍ぐらいしますが(通常のメイド月給1万円とすると月給3万円)、女性の方にとっては、子守や炊事洗濯から解放されますので、とても魅力的なのではないでしょうか。

早く日本でもこの事業を本格的に始めてもらえればなぁと思いました。

その日本人向けのメイドさん事業をやられている日本人マネージャーの方に、「フィリピン人教育のポイント」をお伺いしました。

・プライドが高いので大声で怒らない
→これ結構東南アジア共通ですよね

・フィリピン人は大家族なので1人であると寂しがる。
→対策としては、声掛けをしたり、住込みではなく日々派遣方式にする

・宵越しの金は持たない性格の方が多い
→給料は15日ごとに支払う

・キリスト教
→週に1回礼拝に行くことへの配慮

フィリピン、更にはセブといえば、英会話学校ですので、その話も少し。

近年韓国が経済を中心に世界で目覚ましい活躍が出来た原因の1つが、英語力なのかもしれません。

なぜ、韓国の人が英語力を急速につけることができるようになったのか?

その答えはずばり、フィリピンに英会話留学をするようになったからでしょう。

実際、かなりの数の韓国系英会話学校がフィリピンにありますし、町の表記も韓国語のほうが日本語より優先されています。
韓国の方が多くフィリピンに訪れているからでしょう。




(フィリピンにもカジノはあります。)

これに続けと、昨今日系の英会話学校が多数進出しています。
大体、マニラに10校、セブに30校ぐらいが日系英会話学校として現在あるようです。

ちなみに、韓国系はその10倍ぐらいはあるようです。

最近上場したレアジョブを筆頭に、スカイプ英会話学校も流行っています。
私も毎朝25分ほど受講しています。


■フィリピンの乗り物

フィリピン独特の乗り物に、ジプニーというのがあります。
これは、乗合タクシーで第二次世界大戦でのアメリカ軍の払い下げのジープを改良したのが始まりです。
これは、他の東南アジアでは見ないですね。





この乗合タクシー、普通に子供も乗ります。



降りる時は、車の天井をたたきます。

ジプニーよりやや高いのが、バイクタクシーで、次に高いのがトライシクロです。

トライシクロは、バイクにサイドカーを付けた3輪の乗り物です。
もちろん、メーターなんてないですから、料金は交渉制。



これに最大8人乗れます、というか、実際乗りました!!

もちろん、普通にタクシーも走っています。
メーター有り、エアコン有りでした。


■覚えておくと旅行が楽しくなるかも・・・タガログ語

覚えておくと旅行が楽しくなるかも、というフィリピンの公用語であるタガログ語のご紹介。

こんにちは・・・マガンダン ハポン
ありがとう・・・サラマット
いくら・・・マッカーノ
まけて・・・ワラバン ディスカウント
友達・・・アベ
混ぜる・・・ハロハロ
あっちこっち行く・・・パロパロ
切り分ける・・・チョップチョップ
万歳・・・マブハイ


■覚えておくと旅行が楽しくなるかも・・・セブ語=ビサヤ語

次に、覚えておくと旅行が楽しくなるかも、というセブ語=ビサヤ語のご紹介。

こんにちは・・・マーヨン ハポン
ありがとう・・・サラマット
いくら・・・ビッラ
まけて・・・パハンユアコ

タガログ語もビサヤ語も過去ご紹介した言語すべてそうですが、私の現地での耳生聞き取りが基本ですから、正確性はその程度とお考えください。
でも、一応これで大体通じたと思います。


■フィリピンの食事

とにかく、フィリピンの方は米好きだと思います。
マックに行くと、こんな感じです。



これだけみると、違和感があまりないかもしれませんが、開けるとこんな感じ。



左側は、ライスバーガーではなく、普通にご飯です。
これをこのように、フォークとスプーンで頂きます。



一方、マニラではラーメンウォーとなっています。
つまり、日本のラーメン店の出店ラッシュです。
もしかしたら、日本では熊本以外はあまり見ないが海外では600店以上を展開する味千ラーメンの位置を狙っているのかもしれません。笑

マニラにある日本人向けのフリーペーパーでも、トップに一風堂さんの広告となっています。



あと、とんかつ屋も結構たくさんありました。

ちなみに、街中でのパンの値段は5ペソ=10円ほど。



フィリピンらしい料理を食べに、オシャレなレストランに行きました。

















デパートの地下にある大衆食堂にも行きました。







以下の写真は、フィリピン名物のハロハロです。
ハロハロは混ぜるという意味で、実はアイスの下にあるのは日本のかき氷です。
これ日本で大々的にやれば流行りそう。




果物屋と、現地の方が行くBBQのある食堂にも行きました。















最後の写真にある、真ん中の白いのはご飯で、横にある三角形の葉の皮に包まれていました。

最後の最後に、多分日本にはないが、マーマーいけるバナナケチャップのご紹介。



子供にはなかなか好評でした。

フィリピンの食事は、日本人にとっては、少ししょっぱく、すっぱく、でも甘いものも多い、という感じでしょうか。
決して辛いものはありませんので、口に合いました。

Ps.フィリピンに行って是非食べたかったのは、バロットです。
アヒルの有精卵をゆでたもので、卵の中にはふ化直前のアヒルの子がそのまま入っています。汁が美味らしい。探したのですが機会が無く食べられなかったのですが下記動画を見る限り、食べられなくてよかったのかも。。。

ユーチューブ

次回に続きます。