消費税増税がいよいよスタート-5
   
作成日:05/09/2014
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


前回からの続きです。

■平成25年9月30日までに契約等

前回、消費税率が5%から8%へと引き上げられたことに伴い、例えば電気料金や通勤定期代等の取扱いがどうなるのかという、「税率引上げに伴う経過措置」について、解説を加えました。

今回はその続きと、「消費税転嫁対策特別措置法にある総額表示義務の特例」についてです。

例えば、長期間にわたるソフトウェアの開発案件やリース契約等においては、平成25年9月30日までに契約等したものについては、引き渡しなどが平成26年4月1日以後になっても5%が適用されることとされています。

そのため、一部の業界では昨年特需が発生するような事態にもなっていました。


■有料老人ホーム

これは、有料老人ホームにおける入居一時金でも同様の取扱いとなります。

「平成8年10月1日から平成25年9月30日までの間に締結した有料老人ホームに係る終身入居契約(入居期間中の介護料金が入居一時金として支払われるなど一定の要件を満たすものに限ります)に基づき、平成26年4月1日前から同日以後引き続き介護に係る役務の提供を行っている場合における、平成26年4月1日以後に行われるその入居一時金に対応する役務の提供については、8%への税率引上げ後においても改正前の税率(5%)が適用されます。」

(注)平成8年10月1日というのは、以前の3%から5%へ引き上げられた時の経過措置適用の基準となる日のことです(実際5%へ引上げられたのは平成9年4月1日です)。

これらは過去のことで今からどうしようもありませんが、実は次の8%から10%への引き上げ時にも、同様の経過措置が設けられる予定で、その基準となる日が、平成27年3月31日です。

この日付は是非覚えておきましょう。

ちなみに、実際10%への引き上げ予定日は、その半年後の平成27年10月1日です。


■消費税転嫁対策特別措置法にある総額表示義務の特例

消費者が代金支払い時に混乱しないように、消費税込の表示が基本です。

しかし、今回の2段階の引き上げでは、事業者に配慮し、平成25年10月1日から平成29年3月31日の間で、「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置(誤認防止措置)」を講じている場合に限り、税込価格を表示(総額表示)しなくてもよいとする特例が設けられました。

この総額表示義務の特例措置の適用を受けるために必要となる「誤認防止措置」としての表示は、消費者が商品等を選択する際に、明瞭に認識できる方法で行う必要があります。

例えば、以下のようなものがOKとなります。

(具体例A)
値札、チラシ、ポスター、商品カタログ、インターネットのウェブページ等において、商品等の価格を以下のように表示する。

○○円(税抜価格)
○○円(税別)
○○円(本体価格)
○○円+税
○○円+消費税

(具体例B)
個々の値札等においては「○○円」と税抜価格のみを表示し、別途、店内の消費者が商品等を選択する際に目に付きやすい場所に、明瞭に、「当店の価格は全て税抜価格となっています」といった掲示を行う。

複数回にわたって、消費税率アップに伴うそれ以外の改正項目をお伝えしました。
より詳しく知りたい方は、以下をご覧くださいませ。

消費税法改正のお知らせ(社会保障と税の一体改革関係)」国税庁