有限会社はなくなるの?~新会社法
   
カテゴリ:法務
作成日:09/20/2005
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


恵子
「課長、ちょっと聞いてもいいですか。新聞に来年の春から有限会社ができなくなるって書いてあるんですけど、本当ですか。」

旭課長
「うん、そうなんだよ。今年の6月29日に大規模な商法の改正がおこなわれたんだ(来春から施行予定)。いままで、商法はカタカナ表記で読みにくかったんだけど、現代語化によって、より身近になったといえる。もうひとつは、実質的な改訂だ。そのなかに、有限会社制度の廃止がある。今回、会社に関する法律として商法第2編、有限会社法、そして商法特例法が全部合わさって「会社法」という法律ができるんだ。それに併せて、有限会社が新たに出来なくなるというわけさ。」
 

リエ
「それじゃあ、いままでの有限会社はどうなるんですか。」

恵子
「あ、先輩、そうなんですよ。私の実家は工務店で、有限会社なんですよ。」

 
旭課長
「うん、じゃあよく聞いてね。実は、今回の会社法の成立に併せて、なくなる有限会社法や商法特例法の経過措置を残す『整備法(商法等の一部を改正する法律の施行にともなう関係法律の整備に関する法律)』という法律が出来る。この法律で、今ある有限会社は、既得権として存続することができるようになるんだ(そのような会社を特例有限会社といいます)。」

恵子
「よかった。実家はなくならないですむのね。」
 


旭課長
「ははは、商法はそんなに冷たくないよ。それに、有限会社を株式会社に比較的簡単にすることが出来る。取締役がひとりでもいいし、任期も10年、しかも資本金は1000万円なくても出来る(最低資本金制度は撤廃)という具合だ。」
 
リエ
「恵子さん、株式会社にしないほうが会社に値打ちがつくかもね。」
 

恵子
「先輩、我が家が歴史に残るチャンスかもしれないということね。たしかに、有限会社はレトロになるかも………。」