株主総会の手順
   
カテゴリ:法務
作成日:07/05/2005
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


社長と旭課長が株主総会の手順について打ち合わせをしています。

旭課長
「株主総会の手順は、全体として、1.取締役会で株主招集の決議、2.招集の通知、3.出欠と委任状の確認、4.株主総会の開催、5.決議事項の通知ということになります。」


社長
「最初の取締役会では、株主総会の日程の他に何を決めればいいのかな。」

 

旭課長
「株主総会での決議事項を決めます。必ず必要な事項として、前期の決算と利益処分案、取締役と監査役の任期満了のときはその選任があります。その他には、定款を変更するような事項、例えば、商号変更、本店移転、目的変更、決算期の変更、授権資本の変更などがあれば、株主総会に諮る必要があります。」

 
社長
「招集通知と一緒に、決議すべき事項と委任状を入れておくわけだな。ところで、招集通知はいつまでに出すの?」


旭課長
「従来、招集通知は総会の2週間前に発行するとされていましたが、平成14年の商法改正で、議決権をもつすべての株主の同意があるときは、株主総会の招集手続を省略できることになりました。また、当社のような株式譲渡制限会社においては、定款により招集通知の発信時期を総会の1週間前まで短縮することができるようになっています。それから、株主が1000人以上の会社の場合は、委任状ではなく議決権行使書になります。最近ではインターネットによる議決権行使を採用する会社も増えているようです。」


社長
「事前の準備は大体わかった。では、当日の株主総会の議事進行についてどのようにするのかな。」


旭課長
「議長は、代表取締役(通常は社長)が務めます。そして、

 1.議長が開会を宣言、
 2.出席株主数と株式数を事務局から報告、
 3.報告議題に入るに先立ち、議事進行上のルール・発言の求め方など出席者に協力を求める、
 4.監査報告、
 5.報告事項を述べる、
 6.質疑応答を行う、
 7.決議事項を諮る。

以下、第1号議案の質疑応答・採決、第2議案の質疑応答・採決と繰返して進行します。議事のすべてを終了したら、議長は出席した株主に対し、審議に感謝の意を表し、閉会を宣言します。」
 


社長
「報告事項は、前期の経営状況について課長がまとめておいてください。あと、総会終了後は何をするのかな。」
 
旭課長
「はい、前期は設備投資をして大きな仕事を受注しましたので、その件を目玉に報告事項をまとめておきます。それから、総会後は議事録を作成します。内容は、議事の経過に従って、議事進行の状況・項目・結果を記載し、議長・出席取締役の記名・捺印をします。さらに、総会を欠席した株主に総会決議事項を知らせ、配当金があれば株主配当金の支払通知書を送付します。」