中小会社の会計基準
   
カテゴリ:法務
作成日:08/26/2003
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 旭課長と伊豆野先生がなにやら話をしているのですが、ちょっと難しそうです。リエちゃんが、入るきっかけを伺っているようですが……。
 

旭課長
「伊豆野先生、最近の会計にはちょっと辟易しているところがあるんです。 国際会計基準やらで、だんだん難しくなってきた。いや、大企業の会計におもねって、日本の会社の99%を占める中小企業をないがしろにしている節がある。このままでいいんですかね。」

 
伊豆野先生
「旭課長のおっしゃることはもっともなんです。グローバルスタンダード、といってもアメリカンスタンダードですが、日本の会計基準は、国際的にみて公平さに欠けていて、債権者や株主などに対する情報としては十分でないといっているんです。まあ、公開企業は、証券市場が国際化しているんですから、努力してグローバルスタンダードに対応する必要があるのは一理あるんでしょうが………。」
 


リエ
「でも、課長が言うように、それを中小企業をも含めた全ての企業に適用すべきなんでしょうか。いたずらに、複雑にして、バカみたい。」
 

伊豆野先生
「おお、リエちゃん、バカみたいは、ちょっと品がないかな。でも、我が国の全てがバカじゃない。おっと、私も品がないかな。商法改正で計算規定の改定が行われたのを知っているね。その付帯決議で中小会社に対して、計算規定の適用を過重にならないように定められた。それを受けて、日本税理士会連合会で、中小会社の会計基準を設けた。これは、中小会社の計算処理能力や特殊性を考慮して、従来の税法基準に近いものとして定められたものなんだ。」

 
リエ
「ということは、大企業と中小企業と会計の基準が違ってもいいと認識されたということかしら。」

旭課長
「リエちゃん、それは行き過ぎじゃあないかな。」

伊豆野先生
「いえ、旭課長、実は税理士会でも、2つの会計基準つまり、ダブルスタンダードということで、ほぼ共通の認識ができあがっているのですよ。」

リエ
「よかった。このままだとアメリカのいいようにされちゃうものね。」