国内消費の免税品は消費税課税~免税店の仕組み
   
カテゴリ:税務
作成日:08/30/2016
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


リエ
「黒田さん、以前免税店の改正について教えて頂きましたけど、あれから実際に免税店が多くなっていますね。」


黒田
「そうですね、一時的な爆買いブームのようなものはピークが過ぎてしまった印象がありますが、外国人旅行者の数は10年以上前と比べたら随分増えているように感じますから、免税店の需要はそれなりにあるでしょうね。」



リエ
「ところで、免税店というのはそもそもどういう仕組みなんですか。例えば、海外の友人が来日したときに、私が使う化粧品を代わりに買ってもらうなんてことはできるんでしょうか。」

黒田
「もちろんできません。免税店を利用できるのは、外国人旅行者をはじめとした税務上の非居住者に該当する方に限定されていますが、そのような方でも免税店で購入した商品を、国内で消費してしまったら消費税が課されますので、私達が一般のお店で買う値段と基本的には変わらなくなってしまいます。」

リエ
「購入した後で消費したかどうかを、どうやって確認するんですか。」

黒田
「免税店で商品を購入すると、免税対象物品の購入事実を記載した『購入記録票』をパスポート等に貼り付けられます。そして出国する時に購入記録票に記載された商品を携帯していない場合や、別送したことを証明する書類を持っていない場合には、そこで消費税を徴収されてしまいます。ですからリエさんのように悪い事をしようとしても、できないようになっています。」

リエ
「いやいや、例えばの話ですよ、人聞きの悪い事を言わないで下さい。要するに、購入したものをそのまま海外に持ち出すことが免税となる条件ということですね。」

黒田
「その通りです。ですから消耗品などは中身だけをこっそり消費するようなことがないように、包装の方法もきちんと決められています。」

リエ
「そうなんですね。ということは、携帯せずに別送した場合にも決まりがあるんですか。」

黒田
「はい、別送による輸出手続きをとる場合には、輸出する際に購入記録票を提示して、税関で輸出済であることの証印を受けなくてはならないとされていますが、郵便での輸出であれば、内容品の品名、数量、価格が記載されている受領証があれば良いことになっていますので、そちらのほうが手軽でしょうね。ちなみに、免税店の購入の際には購入記録票以外に、『購入者誓約書』という購入した免税対象物品を輸出することを誓約した書類も作成しなければならなくて、これは免税店が保管していないと免税扱いにならない、という決まりもあります。」

リエ
「なるほど、そういった仕組みの上で消費税が免税となっているんですね。良く分かりました、有難うございました。」