賃貸アパートに設置の太陽光電力の余剰電力の売却収入は不動産所得?
   
カテゴリ:税務
作成日:06/21/2016
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  



リエ
「電力自由化で消費者にとっては選択肢が増えましたよね。自分の家で発電っていう時代でもありますし。」





黒田
「確かに個人宅等でも太陽光発電設備を設置しているのも珍しくなくなりましたね~。」

リエ
「そうだ、黒田さん。以前、少し聞いたような気がするんですけど、個人所有の賃貸アパートに設置した太陽光発電設備によって出た余剰電力の売却収入は雑所得ではなく不動産所得扱いになるんでしたよね?」

黒田
「そうですね。不動産賃貸業を行う個人が賃貸アパートに太陽光発電設備を設置して、その余剰電力を電力事業者等に売却した場合には、不動産所得に含めて所得計算を行うことになります。」

リエ
「規模が小さくても、単に雑所得にはならないんですか。」

黒田
「はい。自宅に太陽光発電設備を設置して余剰電力を売却している場合には雑所得になりますが、賃貸アパートの場合には、その売却収入が不動産の収支に影響することになりますから、不動産所得扱いになってくるんですよ。」

リエ
「不動産の収支に影響?」

黒田
「具体的に言いますと、賃貸アパートでは廊下、階段等の共用部分の電気代は不動産所得の計算上経費になりますが、設置した太陽光発電設備により発電した電力は一般的にはその共用部分にも使用されるため、結果、電気代は減少し、その分不動産所得の計算上の経費も減少することになります。このように、太陽光発電設備による発電が不動産所得の金額を増減させることになりますので、その余剰電力の売却収入についても不動産所得に係る収入金額に含めて計算をするという考え方につながるわけです。」

リエ
「なるほど~。そういう見方をするわけですね。」

黒田
「そうなんです。ただ、賃貸アパートに設置した太陽光発電設備により発電した電力の売却であっても、全量売電(全量買取)の場合には不動産所得との関係性がなくなるため、雑所得に該当してくるんですよ(事業として行われるものは除く)。」

リエ
「発電した電力を全部買い取ってもらうので、賃貸アパートの運営には全く影響してないですもんね。」

黒田
「はい。売電については、売電の形態やその所得区分等で取扱いが異なってきますので、事前に確認をしておいたほうがいいですね。」