青色事業専従者が年の途中で結婚した場合
   
カテゴリ:税務
作成日:11/29/2016
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  





リエ
「私の友人(Aさん)は、父親の経営する個人事業を手伝っていて、青色事業専従者になっていたらしいのですが、5月に結婚をして別生計になったので、個人事業主である父親のほうで、青色事業専従者給与として必要経費にすることができるのか教えてほしいのですが。」

黒田
「青色事業専従者の要件について、前に一度お話ししたことがありましたよね。」



リエ
「あ~、そういわれれば教えてもらったことがありましたね。たしか、『事業主と生計を一にする配偶者やその他の親族であること。』、その他にも要件があったような気がしますが、すっかり忘れてしまいました。済みませんが、もう一度教えてください。」

黒田
「しょうがないですね。では、簡単に要件をお話ししますよ。青色事業専従者の要件として、いまリエちゃんが思い出したことと、『その年の12月31日に満15歳以上になっていること』、『事業主が営む事業に専ら従事していること』が、要件となります。

要件のなかの『専ら従事する』とは、従事状況が、その年を通じて6月を超える期間専らその事業に従事することが必要です。ただし、事業が年の途中で開業・廃業した場合、親族側が病気療養や婚姻などで6ヵ月を超えない場合でも、従事可能期間の2分の1を超える期間、事業に従事できていれば可能です。また、青色事業専従者給与として認められる要件はこれ以外にも、青色事業専従者給与に関する事前届出書などありますので、詳細をまとめたものを後で差し上げますので、読んでおいてください。(所得税法56条・57条)
ところで、Aさんの場合は、年の途中で結婚していますので、1月1日から結婚するまでの期間の2分1を超える期間をその事業に專ら従事すれば、青色事業従者の要件を満たすことになりますので、個人事業主であるお父さんの事業所得の金額の計算上必要経費とすることができます。

また、Aさんは、結婚後両親と別生計になるようなので、Aさんの合計所得金額が38万円以下であれば、Aさんの旦那さんは所得金額から配偶者控除を受けることもできますよ。

仮にAさんが、結婚後もお父さんの職場で仕事を続けて給与を得るのであれば、生計を一にしていない親族になり、青色事業専従者ではなくなります。青色事業専従者給与に関する要件もなくなりますので、普通の従業員給与と同じ扱いになります。
支払う給与が適正金額であれば、お父さんの事業所得の必要経費にすることができます。」

リエ
「よくわかりました。これからは、教えて頂いたことを忘れないようにします。また、黒田さんに教えて頂いたことをAさんに伝えてあげます。」

黒田
「リエちゃん、また友達に先を越されたね。」

リエ
「それを言わないでください。私は独身貴族を楽しんでいるのですから。」

黒田
「はい、はい、これからはもう言いません。」