住民税、特別徴収しなければいけないの?
   
カテゴリ:税務
作成日:10/25/2016
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  



リエ
「黒田さんこんにちは、ちょっとお尋ねしたいことがあるのですが…。」





黒田
「こんにちはリエちゃん。どうしたのかな?」

リエ
「私の幼馴染の実家が文房具屋さんなんですが、この前遊びに行った時、社長をしているお父さんに相談をされたんです。住民税についてなのですが、特別徴収と普通徴収がありますよね? 長年普通徴収で納めていたのに、特別徴収にするようにという通知が来たらしいんです。きちんと納税しているのだから、今のまま普通徴収ではいけないのか、ということなのですが。」

黒田
「リエちゃんはその幼馴染とは家族ぐるみのお付き合いなんだね! 社長をしているというのは、個人事業ではなくて法人という認識でいいのかな?」

リエ
「法人ですよ。学校の近くなので、賑わっているんです。納税意識は高い方で、住民税ついても口座振替にして、残高も確認しているから納め忘れたこともないそうなんですよ。」

黒田
「なるほど。それでも原則として、給与所得者にかかる住民税の納付は特別徴収になっているんです。ただ、従業員の人数など、いくつかの基準に当てはまれば普通徴収も認められる場合があります。例えば、東京都は次の基準に該当すれば当面、例外的に普通徴収を認めるとのことです。」

基準
A. 総従業員数が2人以下
(事業所全体の受給者の人数で、以下B~Fの理由に該当して普通徴収とする対象者を除いた従業員数)
B. 他の事業所で特別徴収
C. 給与が少なく税額が引けない
D. 給与の支給が不定期(例:給与の支払いが毎月でない。)
E. 事業専従者(個人事業主のみ対象)
F. 退職者又は退職予定者(5月末日まで。休職等により4月1日現在で給与の支払いを受けていない方を含みます。)

リエ
「そういえば、以前の従業員はご両親だけで、最近は幼馴染も働きだしたので、従業員が3人になったと言っていました。他の基準にも当てはまらないです。ということは、特別徴収にしないといけないということですか。」

黒田
「そういうことになりますね。」

リエ
「うちの会社は私が入社する前から特別徴収をしていますが、これから新たに始める時の手続きはありますか?」

黒田
「1月ごろにリエちゃんが作っている書類と同じですよ。まずは、1月31日までに従業員の住んでいる市区町村に給与支払報告書を提出します。そうすると、5月31日までに、市町村から事業主(特別徴収義務者)あてに「特別徴収税額決定通知書」が送付されます。この時に年税額と月割額が通知されるので、6月の給料から特別徴収を開始する。という流れになります。」

リエ
「給与支払報告書は年末調整の時に一緒に作ることが多いですね。黒田さんありがとうございます。今週末に幼馴染一家と食事をするので、その時にお話しできます!!」

黒田
「どういたしまして。楽しい週末をすごしてね。」