少額短期保険は生命保険料控除の対象外
   
カテゴリ:税務
作成日:12/15/2015
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  



黒田
「リエちゃん、こんにちは。こないだお渡しした今年の年末調整の書類はもう全員分回収できましたか?」





リエ
「今週末までに総務課に提出してくださいってお願いしていますので、来週にはお渡しできると思います。黒田さん、年末調整の件でちょっと質問があるんですけどいいですか?」

黒田
「はい、りえちゃん。何かありましたか?」

リエ
「私、今年の春に医療保険の契約をしたんですけど、生命保険料控除証明書がまだ届いてないんですよ。これって生命保険会社に問い合わせをしたほうがいいですか?」

黒田
「リエちゃんが契約した保険ってどういう内容の保険ですか?」

リエ
「○○○少額短期保険会社の医療保険です。保険料が安いよって友達が教えてくれたので契約したんです。」

黒田
「少額短期保険ですか。保険料が安いので最近契約される方が多いみたいですけど、この少額短期保険は生命保険料控除の対象にはならないんですよ。」

リエ
「えっ! そうなんですか!! 知らなかった………。」

黒田
「この少額短期保険は保険金額が少額で、保険期間1年(損害保険については2年)以内の保険であることが特徴です。少額短期保険、いわゆる『ミニ保険』は2005年5月2日公布による『保険業法等の一部を改正する法律』で制度が導入され、2006年4月1日から施行されました。金融庁財務局に登録された『少額短期保険業者』が販売できる保険商品です。ちなみに平成27年10月1日時点で83の業者が登録されています。この『少額短期保険業者』は保険業法2条18項に規定されていますが、所得税法上、生命保険料控除の対象となるには、保険業法2条3項の生命保険会社又は同条8項の外国生命保険会社等との保険契約であることが要件の一つとなっています。少額短期保険業者との契約はこの要件に該当しないため、生命保険料控除は適用できないのです。だから生命保険料控除証明書も発行されないんですよ。」

リエ
「生命保険料控除の対象にならない保険だったんですね。保険会社に問い合わせする前に黒田さんに確認しておいてよかった~。実は年末調整の還付金が去年より増えることを期待していたんだけどなぁ~。残念。」