法人番号について教えてください!
   
カテゴリ:税務
作成日:10/06/2015
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  



リエ
「マイナンバー制度開始が近づいたせいか色々取り上げられているのを目にしますね。」





黒田
「そうですね、まだ制度そのものの周知が不足しているためか、問題点を指摘するような取り上げ方が多いように思いますが。」


リエ
「ただ、個人のマイナンバーは取り上げられていますが、法人にもマイナンバーが付くようになるんですよね。」


「そうです。個人のマイナンバーと同様に、今年の10月から通知が始まります。今のところ法人番号と言われることが多いですが。」

リエ
「その法人番号はどのような運用になるんですか、会社として何かしなくてはいけないんでしょうか。」

黒田
「法人番号は個人のそれと違って、インターネット上で公開されますので、保管や管理について注意することもありませんし、そもそも法人が他社の法人番号を収集する必要がありません。平成28年1月以降の税務申告や社会保険・労働保険の手続き等に自社の法人番号を記載するようになるだけですね。」

リエ
「そもそも法人番号って何のために付けられるんですか?」

黒田
「目的としては、
(1)行政の効率化、
(2)国民の利便性の向上、
(3)公平・公正な社会の実現、
(4)新たな価値の創出、とされています。」

リエ
「最初の3つは個人のマイナンバーと同様ですけど、新たな価値の創出というのは個人のマイナンバーにはなかった目的ですね。」

黒田
「その通りです。法人番号は名称及び住所と共に公開されますので、そのデータを民間企業等の新しいビジネスに役立てて欲しいということのようです。」

リエ
「新しいビジネスですか。」

黒田
「実は経済産業省が既に調査を実施しているのですが、いくつかの企業に法人番号を利用してどのようなことができるのかを聞き取り調査しています。その結果、公開される予定の名称・住所・法人番号の3情報だけではデータ不足であることなどを理由に、新しいビジネスや現在の業務に大きく貢献させるのは難しい、といった意見が多かったようです。」

リエ
「となると、今のところ私達民間にとっては、あまりメリットはなさそうですね。」

黒田
「残念ながら現状は私もそう思います。ただ少し先の話になりますが、法人の資格や免許に関する情報を法人番号を通じて外部の人間が確認できるようにする予定もあります。そうなると新しい取引先等の調査効率が上がる事は予想されますし、移転等の手続きも、今はあちこちの行政機関に届出を提出したりしなくてはなりませんが、法人番号によって手続きを一度で済ませられるようにする予定もあるようです。」

リエ
「なるほど、手続きが一度で済むというのは、私達のように経理や総務に携わっている人間には有難い話ですね。」

黒田
「そうですね。いずれ公開されるデータの範囲も拡大するかもしれませんし、何かしら新しいビジネスや業務に役立てることができるようになるかもしれません。」

リエ
「そうなるといいですね。」