生産性向上設備等の圧縮記帳
   
カテゴリ:税務
作成日:11/17/2015
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  



旭課長
「黒田さん、ちょっと相談してもいいですか。」





黒田
「はい。なんでしょう?」

旭課長
「当期に新しい機械を500万円で取得する予定なんです。そうしたら機械メーカーから、その機械は特定生産性向上設備に該当すると聞きました。」


リエ
「特定生産性向上設備に該当するとどうなるのですか?」



黒田
「産業競争力強化法の施行の日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までの期間に特定生産性向上設備を取得し、事業の用に供した場合に特別償却または税額控除が認められます。なお、平成26年1月20日から平成28年3月31日までの期間(特定期間)に取得し事業の用に供した場合には上乗せ措置があります。」

旭課長
「ええ。そこで当社では税額控除を選択するつもりなのですが、実はこの機械を取得するにあたり100万円の国庫補助金が翌期に交付される予定なんです。少し調べたのですが、生産性向上設備投資促進税制を適用した場合には圧縮記帳の規定との重複適用は認められないのですか?」

黒田
「いえいえ。重複適用が認められないのは租税特別措置法上の圧縮記帳です。国庫補助金による圧縮記帳は法人税法上の圧縮記帳ですので重複適用は可能ですよ。」

リエ
「でも国庫補助金が交付されるのは翌期になるのですよね。生産性向上設備投資促進税制を適用する上での機械の取得価格はどうなるのですか?」

黒田
「国庫補助金の圧縮記帳を翌期に適用したとしても、当期に生産性向上設備投資促進税制を適用する上での取得価格は、国庫補助金の交付予定金額を控除した金額になります。
今回の場合ですと、500万円から100万円を控除した400万円を取得価格として税額控除限度額の計算を行います。国庫補助金額を控除しないで、そのままの金額で税額控除限度額を計算した場合は、翌期に圧縮記帳の適用は受けられません。」

旭課長
「なるほど。ありがとうございました。」

生産性向上設備投資促進税制

特別償却限度額

(H26年1/20~H28年3/31)

取得価格の全額を即時償却


(H28年4/1~H29年3/31)

取得価格×50%(建物又は構築物は25%)

税額控除限度額

(H26年1/20~H28年3/31)

取得価格×5%(建物又は構築物は3%)


(H28年4/1~H29年3/31)

取得価格×4%(建物又は構築物は2%)

(中小企業の上乗せ措置)中小企業投資促進税制

特別償却限度額

(H26年1/20~H29年3/31)

取得価格の全額を即時償却

税額控除限度額

(H26年1/20~H29年3/31)

取得価格×7%(特定の中小企業は10%)