預金者保護法ってどういう法律
   
カテゴリ:その他
作成日:01/10/2006
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 信用金庫の南条支店長が新年の挨拶に来られました。

社長
「去年はキャッシュカードの事件がたくさん起きましたね。」

 


旭課長
「それがきっかけで、偽造・盗難カード預貯金者保護法(預金者保護法)が成立したということですよね。」
 
南条支店長
「当初は金融庁が、銀行業界に対して被害の一部を補償するよう自主ルールの制定を促す程度でしたが、ゴルフ場での組織的な偽造事件をきっかけに、社会問題化したカード犯罪から預金者を保護するために立法化が進んだという経過ですね。」


社長
「カード犯罪の手口は、どういうものがありますか?」


南条支店長
「最も一般的な手口は、スキミングと呼ばれるもので、スキマーという手のひらサイズの機械で、他人のキャッシュカードやクレジットカードの個人情報を読み取り、別のカードにコピーするという方法です。それから、インターネットを利用した詐欺で、フィッシングと呼ばれるものがあります。金融機関を装ってメールを送信し、実在する企業の偽ホームページにアクセスさせて、ポップアップウィンドウから個人情報を入力させるという手口です。巧妙なため騙される被害者が増えているようです。」

 


社長
「ところで、預金者保護法というのは、どういう内容ですか。」
 
南条支店長
「預金者保護法は偽造や盗難されたキャッシュカードが現金自動預払機(ATM)で不正に使用され、預貯金の引出しや借入が行われた場合、金融機関がその被害を補償するというものです。」


旭課長
「補償の額は過失の度合いによって異なると聞いていますが。」

 

南条支店長
「そうです。大きく三通りあります。過失なしの場合は全額補償、軽過失の場合は75%補償。重過失の場合は補償なし、という具合です。」

 
社長
「軽過失とか重過失というのは、具体的にはどういう場合ですかね。」


南条支店長
「偽造カードが使われた場合、預金者に故意がなければ、被害は原則として全額補償。盗難カードが使われた場合、預金者が盗難されたことを速やかに申し出れば、原則として全額補償。全く補償されない重過失というのは、暗証番号を故意に知らせていたり、カードに暗証番号を書き込んでいた場合のことです。75%補償になる軽過失というのは、暗証番号を推測できるような書類とカードを一緒に保管していた場合とか、金融機関への届け出が盗難または不正引出しの日から30日を超えているような場合のことです。その他、ケースバイケースになりますが、暗証番号の管理は重要なポイントになっています。過失にならないためには、誕生日とか電話番号など特定しやすい番号にはしないこと、被害にあったら速やかに金融機関に届けることが重要です。」