フリーアドレスは効果的か
   
カテゴリ:その他
作成日:08/05/2008
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 最近、都会のオフィスで増えているフリーアドレスについて、IT会社営業の大島さんとリエちゃんが話しています。

リエ
「大島さんの会社では、社員の席が決まっていないと聞きましたけど、オフィスの中はどうなっているのですか?」

大島
「そうなんですよ。社員が個々に決まった席を持つことをやめて、図書館の閲覧室のように、空いている席を自分で確保して使うようになりました。それを”フリーアドレス”というそうです。対象は営業とサービスですが、大体会社にいない人が対象です。」

リエ
「ほとんど会社にいない人が会社に席を確保しておくことは無駄ということでしょうか。」

大島
「当初の目的は、不在者の席を在席者が使うことで、使える机の面積を増やそうという試みであったようですが、最近では、1人1席の場合に比べてデスクの数を2分の1から5分の1程度まで減らすことができ、スペースの大幅な縮小が可能になるとか、固定の席がなくなることで、個人が持っている書類がなくなるといった効果も期待できるということです。」

リエ
「席が固定しないと、毎日席替えのようで、職場の雰囲気も変わりそうですね。」

大島
「フリーアドレスの効果としては、一般に、1)部署や職位を越えてコミュニケーションが活発になる、2)仕事に必要な人と自在にグループを組んでコラボレーションしやすくなる、3)書類やパソコンの放置がなくなり、セキュリティ対策になる、4)毎日席が変わることでリフレッシュ効果がある。ということで、社内恋愛も活発になるなんていうこともあるそうです。」

リエ
「なんか楽しそうですね。でも、自分の机がないと会社への帰属意識とかなくなりそうな気もしますけど。」

大島
「フリーアドレスのデメリットとしては、1)自分の席がなくなることへの不安、2)帰属意識・モチベーションの低下、3)毎日固定的に同じ席を占有して実質的にフリーアドレスにならない、4)固定席者と壁ができる、といったことがあります。きちんとした方針とか説明がないと、このような問題点を改善できずに失敗するというケースもあるようです。」

リエ
「フリーアドレスにするためには、電話、LANなど通信インフラの整備も変わりますよね。」

大島
「外線電話を各自が受けるためには、内線でつながっている携帯電話またはPHSを各自が持っていることが必要になります。LANもパソコンを持ち歩くため、無線が必須です。さらに、書類をもたないために、デジタル化を徹底したペーパーレス化が必要になります。」
 

リエ
「やはりIT会社が先行するのは、その辺の事情があるからでしょうか。いろいろな問題がありそうですけど、成功すれば効果は大きいように思えます。大島さんもフリーアドレスで社内結婚ということになるかもしれないですね。」