倒産防止共済制度を利用しよう
   
カテゴリ:その他
作成日:08/01/2006
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 梅雨でジメジメとしている中、会計事務所の黒田さんがやってきました。
 


リエ
「こんにちは黒田さん。今日はどうされたのですか。」

黒田
「社長から相談事があるという電話を頂いたので、伺ったのですが。」
  
リエ
「あら、社長からは何も聞いてなかったわ。美穂ちゃん、聞いてる?」

美穂
「いいえ、叔父さんからは何も聞いてないですよ。」

黒田
「叔父さん?」

リエ
「黒田さん、初めてでしたっけ。」

黒田
「ええ初めてお会いします。」

リエ
「社長の姪御さんで、美穂ちゃんです。先週からバイトに来てもらっているんです。」

美穂
「はじめまして、美穂です。お名前はリエちゃんからよく伺ってます。」

黒田
「ああ、そうなんですか。ところで、社長はどちらに行かれたんでしょうね。旭課長もいらっしゃらないようだし。」

リエ
「旭課長なら今日はお得意さん回りに出かけています。」

 黒田さんが困っていると、そこへ亀井工場長がやってきました。
 

亀井
「やあ、黒田さん。ちょうど良かった。取引先の○×製版が破産申立をしたらしいんだよ。それで今、工場の休憩室で社長と対応を話していたところでね、旭課長ももうじき戻ると思うから工場まで来てくれるかな。」

 
黒田
「はい、わかりました。」

 工場の中では社長が浮かない顔をして待っています。

黒田
「社長、この度は大変な事態になりましたね。」

社長
「そうなんだよ。○×製版は創業時からの付き合いがあって、取引先の紹介もしてくれていたから。まさかという気持ちなんだよね。」

亀井
「今月はたまたま仕事を受けていないからいいけれど。」

黒田
「たしか、未回収の債権がありましたよね。」

社長
「約500万円程あるね。どうしたらいいのかな。」
 


黒田
「社長、倒産防止共済に加入しているじゃないですか。」

社長
「そうか、倒産防止共済か。」
 
黒田
「倒産防止共済なら掛金総額の10倍まで無担保、無保証、無利息で借入が可能ですから。」

社長
「そうだね、それなら当面の資金繰りは安心だね。」

黒田
「なにもないときは無駄な支出に見えますが、いざというときに備えておくのも経営者の責任ですからね。」
 

社長
「そうだね。明日は我が身だし、○×製版になにか協力できることがないか聞いてみよう。」

黒田
「そうですね。」