BPOは中小企業に関係ないか?
   
カテゴリ:その他
作成日:06/08/2010
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 業務のアウトソーシングについて、リエちゃんが中小企業診断士の進藤さんと話しています。

リエ
「大企業では、コスト削減のため事務作業を中国にアウトソーシングしているという話しを聞きましたけど、実際どうなんですか?」

進藤
「それをBPO(business process outsourcing)と言って、既にヤマト運輸とか花王など大手企業で導入が進んでいます。日本の中でも事務作業を請け負う会社はあるのですが、最近では、さらに人件費の安い中国にシフトしています。中国の大連には日本から業務委託された“事務工場”が次々と作られているようですよ。」

リエ
「どんな業務をアウトソーシングしているのですか?」

進藤
「経理事務、受注事務、伝票入力業務など、オフィスでの事務作業。いわゆるバックオフィスに関することなら、ほとんど対象になっています。」

リエ
「言葉とか大丈夫なんですか?」

進藤
「日系企業からの転職者など日本語が堪能な人が多いということもあるけど、何より向上心のある若者が中心で研修を盛んに行って猛勉強しているから、業務品質とスピードは委託した日本の会社のほうが驚くほどです。セキュリティ対策もしっかりしています。」

リエ
「目的はやはりコスト削減ということでしょうか。」

進藤
「大連の人件費は上昇傾向にあるとはいうものの日本の1/4以下といわれています。BPO後に従来コストの50%以上削減という目標を掲げるところが多くあります。ただ、人件費だけではなく、BPOを通じてムダを省き、業務の標準化と効率向上を図るということも大きな目的になっています。」
 

リエ
「アウトソーシングするためには、切り分けが必要ですから、業務内容をよく分析しないとできないですよね。ところで、大企業はBPOでコスト削減ができるかもしれませんが、中小企業は取り残されそうで心配です。」

 
進藤
「中小企業は経営資源が乏しいので、元来BPOを必要としています。税理士などの専門家もBPOの一つだと思いますよ。ただ、外国に事務作業を委託するとなるとハードルは高くなりますね。でも、現在のインターネット環境と業務の標準化によって可能性は十分にあります。その時が来ても慌てないように、今は中国の若者に負けない向上心を持つことが重要だと思う。」

リエ
「大変な時代ですけど、選択肢が広がっているのですから、やりがいもありますね。どんな時代になっても向上心を持たなければと思います。ありがとうございました。」