SaaS(サース)って何ですか?
   
カテゴリ:その他
作成日:01/20/2009
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


リエ
「黒田さん、SaaSって何ですか。」
 

黒田
「SaaSというのは、『Software as a Service』を略したものだよ。呼び方はサースまたはサーズと発音しますが、最近ではサースが一般的ですね。」

 
リエ
「ソフトウェアのサービスですか?」

黒田
「今までは使用したいパッケージソフトはCD-ROMやDVD-ROMまたはネットなどを利用してパッケージソフトを購入し、所有しているパソコンの中にインストールする必要がありました。それに対してSaaS(サース)はインターネット上でソフトウェアのサービスを受けることでパソコンへのインストールなどの作業は原則必要ありません。そして購入ではなく使用料を支払う形態が主流となります。」

リエ
「黒田さん、結構詳しいですね。」

黒田
「実は経済産業省がSaaSを利用して中小企業向けに財務会計・給与等のアプリケーションを提供しIT化の支援をするという事業を構築中なんです。この事業には民間のアプリケーション提供企業が約18社参加しています。そのスタートが平成21年3月~4月頃になっているので今情報を集めている最中なんです。」

リエ
「国は何を目的としているんですか。」

黒田
「対象は従業員数20人以下の小規模企業で、格安な料金体系で財務会計などのソフトを使用させることによって税務申告の電子化までをトータルで行わせたいということだと思います。」
 


リエ
「従来だとデータは会社のパソコンやサーバーの中に保存されていますが、SaaSの場合はどこに保存されているんですか。」
 
黒田
「国で行うSaaSによる財務会計等のデータはそれぞれのアプリケーション提供企業のデータセンターになると思われます。もちろんユーザー側でもバックアップデータはとれますが、インターネットに接続していない環境では原則としてそのデータを復元できないはずです。」

リエ
「それでは会計ソフトの使用企業が増えるんですね。」

黒田
「その可能性は低いのではないでしょうか。経済産業省で試算している月額使用料は平均5500円、年間にして約6万6000円です。この値段なら今現在でも市販されているソフトウェアが買えます。ただ、実際の価格設定は各アプリ事業者の自由意志に委ねるようですから無料とすることも許容範囲のようです。」

リエ
「と言うことは……。」

黒田
「未だに普及が遅れている税務の電子申告をどうにかしたいということがあると思います。もし本当にこの小規模企業のことを考えてこの事業を普及させたいのなら、利用者にとってメリットがハッキリと目に見える政策が必要ですね。このままだと初期投資の約18億円が無駄になってしまいますね。」

リエ
「黒田さん今日はありがとうございました。」


参照:経済産業省「中小企業向けSaaS活用基盤整備事業について」