盗難に対するリスク管理
   
カテゴリ:その他
作成日:02/18/2002
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


旭課長
「先日、取引先のA社で、盗難事件があったそうだ。金庫を壊されて現金が盗まれたと言っていた。幸いにして、現金以外の被害はなかったようだけど、怖いね。」



リエ
「金庫に入れておけば、“安全”って考えていたのですが、最近の窃盗の手口から見ると甘いですね。」

旭課長
「金庫が壊される、または金庫まるごと盗まれるということを前提に、管理しないといけないね。そのために、日頃からどのようにしたら良いと思う?」

リエ
「現金残高がいくらかを確実に把握しておくことですね。」


旭課長
「そう、まず現金管理が基本だね。金銭出納の帳簿が完璧であれば、被害金額をすぐに把握できるし、経理に対する信用が高まって、調査・捜査に迅速に対応して協力することができる。また、被害の補償を損害保険に対して請求する場合に、帳簿が証明として使われることもあるので、記帳の責任は重いんだよ。」


リエ
「ただ、現金以外に商品券とかビール券なんかも金庫に入っているのですが、帳簿には付いていませんけど。」

旭課長
「金庫に保管しているものをリストアップしておくことも重要だね。金庫にはごく限られた人しか触らないはずだけど、対象者には、何か金庫に保管するときには、必ず経理に内容を報告してもらうようにする。そして、経理は保管リストに追加する。これを原則にすることだね。」

リエ
「キャッシュカードやクレジットカード、印章も通帳と一緒に入っているので、心配ですね。」

旭課長
「通帳と印章を別々に保管することは常識だと思うけど、銀行やカード会社の緊急連絡先は一覧にしておき、いざという時に、直ちに使用停止の連絡ができるようにしておかなければいけないね。それから、銀行の貸金庫も活用して、重要書類の保管を分散することも検討する必要がある。何より、これからのリスク管理は、金庫のようなハードに頼るだけでなく、運用方法というソフトでカバーすることが、益々重要になってきている。これは経理課の腕の見せ所かな。」